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  1. 不定愁訴とは
  2. ストレスや筋肉の使いすぎによる 肩こり は、通常僧帽筋に現れます。
  3. 機能性便秘
  4. 画面を見て仕事をする作業では 眼精疲労 になりやすくなります。
  5. 不眠と疲労
  6. 精神的ストレスと筋緊張
  7. 東洋医学独特の病態認識の一つである 悪血(おけつ)
  8. 左右頚部の筋緊張異常が引き金になって発生する 頸性めまい
  9. 発作性の回転性めまいを反復し、耳鳴り・難聴を伴う メニエール病
  10. 月経異常
  11. ストレスが胃腸の機能障害を起こすので 腹部症状 の治療には胃に加えて脾・肝も同時に治療します。

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悪血(おけつ)


はじめに

 おけつの「お」という字は正しくは東洋医学辞書でないと変換できないようですが、インターネット上では悪血という字が代用されているようなのでここでも悪血と記します。
また、ツボの名称を東洋医学辞書で漢字に変換しても通常のパソコン環境では文字化けするものはカタカナで記しました。ほかにも誤字が含まれているかもしれませんがご容赦ください。

悪血(おけつ)の基礎および原因

 東洋医学では、生体の恒常性は、気血水の3要素によって維持されると考えられます。気の働きを担って生体を巡行する赤色の液体が血です。
その血の流通に障害を来した病態が悪血です。血管外に漏出した血(皮下出血など)も血の作用をなしえないので、悪血と認識されます。

 悪血の成因には、寒冷刺激や温熱刺激といった外的ストレス
打撲・手術・輸血・喫煙
精神的ストレス・運動不足・睡眠不足
高脂肪蛋白食・便秘などがあります。
これらの成因を考えると、悪血は高血圧・高脂血症・糖尿病・動脈硬化症・精神疾患といった現代病と深く関連していると考えられます。

悪血の症状

 自覚症状としては、不眠や精神不穏などの精神症状
顔面の発作的紅潮・多汗・冷え・手足の火照りのような自律神経症状
頭痛・肩こり・筋肉痛・腰痛・全身倦怠感・口の渇きなどがあげられます。

 他覚症候としては、顔面の色素沈着・眼瞼部のくま・皮膚のかさつき・歯肉や舌などの下歯粘膜の暗赤紫色
毛細血管の拡張
臍傍の圧痛・回盲部やS上結腸部の圧痛等下腹部を中心とした圧痛
月経の異常・痔疾などです。

 悪血が関連する疾患としては、慢性便秘や痔疾等の慢性消化器疾患
高血圧症・心血管障害・脳梗塞等動脈硬化性疾患
アトピー性皮膚炎や蕁麻疹などの皮膚科疾患
腰痛症や坐骨神経痛等の骨関節疾患
更年期障害など婦人科疾患
ヒステリーや神経症等の精神疾患があります。

悪血の診断

 東洋医学独特の病態認識の一つである悪血を科学的に解明するためには、一定の診断基準が必要です。
眼輪部の色素沈着とは、いわゆる目の隈です。下眼瞼内角部に出現しやすく、疲労時に目の周囲が黒くなるか否かを問うことも必要です。顔面黒色のなかには、顔面の色素沈着やシミ・そばかすも含まれます。
皮膚の荒索とは、俗に言う鮫肌です。アトピー性皮膚炎などにみられる皮膚のざらつきもこの部類に入ります。単なる乾燥状態ではなく、健常の光沢が失われた皮膚変化のことです。
細絡は糸みみず状の血管拡張で、頬部・前胸部・肩背部・下肢遠位部等に比較的広発します。微妙な打撲でも皮下出血を来す場合があるので注意が必要です。口唇や歯肉の暗赤色・舌の暗赤紫色は、視診の重要な所見です。

 古来漢方医学で悪血の重要な所見とされてきたのが、下腹部の各圧痛点です。
胸脇苦満(きょうきょうくまん)とは、左右両側あるいはいずれか一方の季肋部に重圧感もしくは膨満感を認め、季肋弓窩に4指を挿入するように触診すると抵抗と不快感を訴える場合の腹部所見です。
へそより約2横指幅外側の点を求め、手指で深く圧すると深部に走るような痛みを訴え、多くの場合手指にも抵抗を触れます。これが臍傍圧痛です。

 悪血の概念は狭義には、下腹部に触知される血塊を想像させるような硬結、いわゆる悪血塊などの呼称として用いられることもあります。
悪血の症候として独特の腹証、つまり下腹部に限局した特定の抵抗圧痛や硬結などがあります(下腹部反応)。特に婦人科疾患と悪血は密接な関係があります。
また、骨盤内鬱血症候群と呼ばれているものも悪血現象の一つだと考えられます。骨盤内鬱血症候群の患者の主訴は、下腹痛・腰痛・月経異常・冷感等であり、悪血症の症状と一致しています。
 悪血は下腹部に沈着しその病態は多くは左の腸骨窩の部分に観られ、この部分を軽くこするように指頭で按圧するとかなり強い疼痛を覚えるという状態です。これは悪血の腹証で、少腹給血(しょうふくきゅうけつ)と呼ばれています。
月経障害は、血の自然の流注を妨げるものとされ、悪血の原因と考えられました。痔が存在する状態も悪血診断基準に含まれます。

 なお東洋医学の腹診は、背臥委にして足を伸ばした状体で触診しますが、西洋医学の腹診は、軽く膝を曲げて腹壁の緊張を緩めた状体で行われます。
鍼灸臨床は腹診と背診が一体となって診察にも治療にも使われています。体調が優れないときに腹診・背診に基づく腹背の治療を加えて元気を回復することもしばしばあります。
様子を見守る程度の内科的な異常には、腹背診に基づく治療は基礎体力を付け恒常性を高めてよい体調に保つために大変役立ちます。

 血液粘度との関連においては、悪血病態では微小循環系において血液が流れにくく、また血流が停滞するとその再会に要する力は否悪血群に比べより大きなものが必要となります。
重度悪血群では赤血球集合能を亢進させていることが示唆されています。軽度悪血病態で赤血球変形能が低下し、悪血の重症化に伴い赤血球集合能の亢進が加わることによってさらに血液粘度が上昇し、微小循環障害が進行すると考えられています。
 今後、生活習慣病の増加あるいは高齢化に伴う動脈硬化性疾患の発症・進展に対して、悪血を念頭に置いた治療が重要になってくるものと考えられます。

更年期障害

 更年期障害は、急に起こる上せ感・顔面紅潮と発汗などの特有な症状があり、女性の閉経前後によく見られます。
症状は多様性にとんでおり、自律神経失調症と、それに悪血と腎虚が強く関与したものと思われます。
症状を分類すると、下記のようになります。

1. 循環障害の症状
上半身特に顔面の上せ・下半身の冷え・発作性の熱感と発汗・動悸めまい
2. 精神神経症状
いらいらして怒りやすい・精神疲労・不眠・頭痛・更年期うつ症・不安感
3. 初老症状
疲れやすい・腰痛・肩こり
4. その他
皮膚に張りがなくなり、膣炎や膀胱炎・排尿障害・骨粗鬆症
が現れます。

 かーすー病は、自律神経失調症・更年期障害の時に起こりやすい症状で、かーっと発作的に顔面や上半身に熱感が起こり、発汗します。
数分後には、発汗のためにすーっと冷えてきます。このために、カーすー病といわれました。現代医学でいうほっとフラッシュ(急に起こってくる顔面紅潮発作)のことです。

悪血の鍼灸治療

 悪血の鍼灸治療には、全身療法と局所療法があります。
治療のための配穴や手技も一つではありません。事実それぞれの方法で効果があります。症状が多彩であるので、個々の症状にこだわることなく全体を調節することを優先します。

1. 全身両方
悪血や腎虚・精神不安を治療するとされる要穴をはじめ、精神的な緊張は頸背部にこりとなって現れるので、頸背部の圧痛点の治療を行います。
すべて用いるのではなく、これらを取捨選択して配穴します。

2. 身体の部位による悪血の治療
 全身療法を施すとともに悪血の出現する部位は人によって違うので局所にも治療処置を施したほうが当然治療効果は高まります。
腰殿部の次リョウ・秩辺・会陽・居リョウ等のツボは、下腹部の血流を改善させます。とくに居リョウは血流障害が起こりやすい部位です。
腹部悪血点といって、へその周囲など腹部の圧痛硬結が在るところに置鍼すると、局所の血流もよくなり鬱血も改善します。とくに、中注・天枢・大巨ナドハ左側に強く硬結・圧痛として現れることが多いツボです。
腹部の悪血を改善させることによってそれを原因としていた症状等が改善されていきます。刺鍼時の深さは腹筋の厚さによっても異なりますが、浅く刺鍼しても十分効果はあります。
腹部の圧痛や硬結部に3,4箇所置鍼を続けていると悪血による症状は徐徐に消失していきます。とくに腹部に手術痕がある症例では周囲に圧痛点を認めることが多く、ここに刺鍼していると悪血が原因で起こっていた症状が軽減することが多いようです。

 上せと下肢の冷えを直すには、下腹部や腰部の悪血の過敏点を探し、ここに刺鍼すると、自然に解消していきます。
上せに対しては、居リョウを用います。側臥位で左右交代に居リョウ穴に15分ずつしっかり響かせた後留置鍼します。
上前腸骨棘という骨の出っ張りと大転子の上端との中間に当たる陥没したところで、強くおくまで押すと圧痛があります。
ここは股関節が屈曲する部位なので、血流を妨げやすい場所で悪血にもなりやすい部位でもあります。
だから居リョウ穴への刺鍼は、悪血の改善にもなると考えられます。

参考文献 : 医道の日本1998年8月号
       医道の日本2001年5月号
       医道の日本2005年5月号
       医道の日本2005年9月号

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