ぎっくり腰の誘因としては、重いものを不安定な姿勢で持ち上げようとしたときや、洗顔などささいなことでも発症します。
1. 椎間関節性の腰痛
急に発症する椎間関節捻挫と、慢性症の椎間関節症に分けられます。
椎間関節捻挫は、ぎっくり腰としてもっともポピュラーな病態です。下部腰椎の椎間関節の阿脱臼により、関節包が過伸展され、炎症や出血・部分断裂のため急性腰痛を起こします。
椎間関節症は、加齢による椎間関節の変性を基盤として発症し、慢性腰痛の原因となります。この腰痛は、起床時や動作開始時に腰痛が強く、しばらく動いていると軽快することが多いといわれます。
2. 筋筋膜性腰痛
急性のものは、局所の熱感や腫脹がみられることもあり、椎間関節捻挫より疼痛域が上方も含めて幅広いことが多いようです。局所の炎症による循環障害が疼痛や筋硬結の重要な原因になるといわれています。
慢性化すると、結合組織の増殖や筋膜に肥厚を生じ、筋の疲労による循環障害等により疼痛を起こすといわれています。
内臓性腰痛は自発痛であって、その痛みは運動による影響を受けません。全身状態が良好かどうか・ガンの既往歴なども重要です。
夜間痛・自発痛が激しく、動いても痛く安静にしても痛みは楽にならず経過が進行性であれば、速やかに病院で検査をおすすめします。
ぎっくり腰などの脊椎性腰痛は運動痛であり、安静により軽減することが特徴です。この場合は、鍼灸の適応となります。
仰臥位の場合は、「膝の下に座布団や枕などを楽な高さに調節して寝る」ことにより骨盤の前弯を減らすので、その姿勢が勧められます。
腹臥位で寝ることは、腰椎の前弯が増強するためさけてください。腰痛の時は、側臥位で患側を上にして膝を軽度屈曲する姿勢が楽になります。
腰痛に限らず、急性激痛の時は、入浴は厳禁してください。炎症がおきているときに暖めると後で痛みが増悪します。シャワーなどですませてください。
急性発症直後は、とくに椎間関節捻挫の患者は疼痛の強い期間の2,3日は安静臥床を守ってください。
腰痛を起こす疾患はたくさんありますが、急性のぎっくり腰の場合予後は良好で、約1週間以内・長くても10日以内、治療回数では2〜5回ぐらいで緩解します。
治療に長期間かかり、難渋する脊椎性の慢性腰痛性諸疾患との区別が必要です。
参考文献 : 医道の日本1999年4月号