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長文過ぎるので、「女性不妊症」を削除しました。
月経周期とは、月経が始まった日から次の月経の始まる前日までのことをいいますが、成熟女性の月経は25〜35日周期で3〜7日間持続するのが正常とされています。
月経周期は、主に脳の下垂体で作られる卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモン、さらに卵巣で作られる卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の相互作用によって調節されています。
卵胞期になると、エストロゲンとプロゲステロンの減少によって厚くなった子宮内膜がはがれ、子宮口から体外へ排出されることで出血が起こります。これが、月経です。
思春期や更年期では卵巣機能が不安定となり、月経周期は不正となります。
月経周期の異常では、月経周期が24日以内のものを頻発月経、また39日以上たっても月経がこない場合を稀発月経といいますが、これらがいわゆる月経不順です。
しかし、妊娠ということを考えず必要な女性ホルモンが卵巣から分泌されているという観点で考えれば、年に4〜5回以上月経があれば、最低限の女性ホルモン分泌は維持されていると考えてよいと言われます。
年間の月経回数が1〜3回になりそうであったり、10数年単位で年3〜5回程度の稀発月経が継続する場合は、婦人科への受診をおすすめします。
1. 無月経
一般的には、18歳前後になっても月経がない場合は、原発性無月経と考えられます。
一方、初経以後しばらくは順調だった月経が何らかの理由で止まってしまった場合を、続発性無月経と呼びます。
妊娠でもないのに月経が90日以上観られない場合は、続発性無月経と考えられますが、若年者では、比較的軽度の精神的ストレスでこの続発性無月経になってしまうこともあります。
2. 稀発月経・頻発月経
39日以上と間隔の長いものを稀発月経、 24日以内と短いものを頻発月経といいます。いずれも排卵が起こっている場合と起こっていない場合があり、起こっていない場合は当然不妊症となります。
更年期の女性では、稀発となっている月経の前後でほっとフラッシュ(急に起こってくる顔面紅潮発作)や発汗・精神不安などの更年期症状が急速に悪化する場合、
また頻発月経に関しては、過多月経を合併している場合は急速に貧血が悪化する場合があり、頻脈であったり、疲労感や労作時の息苦しさを訴えるようならば貧血の可能性があります。
性腺刺激ホルモンの分泌異常えも・黄体機能不全へも、鍼灸治療の効果が期待できます。
3. 月経困難症と月経前緊張症
月経時に下腹痛や腰痛が起こることを、月経困難症といいます。
最近の疼痛理論では、大きな痛みを長期に我慢し続けると痛みに対する閾値が低下し、より痛みが増強する可能性があることが指摘されています。つまり痛み止めはなるべく早期に服用し、痛みを和らげる方がよいそうです。
月経前に精神不安・頭痛・むくみなどが決まって発症し、その症状で生活の質が著しく落ちている状態を、月経前緊張症といいます。
4. 過多月経
5. 早発月経
6. まとめ
3ヶ月程度鍼灸治療を行っても、患者の治療満足度が7〜8割以上に達しない場合は、医療機関への受診をおすすめします。
また鍼灸治療のみで満足している場合も、年1回の癌検診を受けることが望ましいと言われます。
1. 機能性と器質性の鑑別
月経痛にも機能性と器質性があります。機能性では症状を軽減させることが治療目標になりますが、器質性では症状を起こしている原疾患の追求が必要になります。
2. 機能性月経痛の体壁反応点
鍼による鎮痛は、子宮収縮の程度を弱めるのではなく、関連痛の鎮痛によるものだと思われます。したがって興奮する体性神経の鎮静が重要になると考えられます。
a. 交感神経興奮→体性神経興奮による反応点
交感神経興奮に伴う子宮体部や子宮頚部の平滑筋収縮による痛みは強いものではなく、二次的に生じた同じデルマトーム上(Th10〜L1)の体性神経興奮により強い痛みを感じます。
Th10〜L1脊髄神経後枝反応は、脾兪〜三焦兪などのツボに、Th10〜L1脊髄神経前枝反応は天枢〜横骨などのツボに、それぞれ筋コリや自発痛として出現します。
またL1神経への過剰入力は腰神経叢(L1〜L4)を興奮させるので、腸骨下腹神経・腸骨鼡径神経・陰部大腿神経などの分布領域に筋痛や皮膚過敏をもたらします。
b. 副交感神経興奮→陰部神経興奮による反応点
子宮体部や子宮頚部の内臓興奮反応は、副交感神経反応として骨盤神経が興奮します。
骨盤神経はS2〜S4支配であり、S3仙骨孔の中りょうが代表的なツボです。
副交感神経性の痛みは強いものではありませんが、同じS2〜S4からは体性神経性の陰部神経も出ているので、二次的に陰部神経が興奮すると陰部神経支配領域に強い痛みが出現します。肛門・膣・前陰部の痛みは、このために起こると思われます。
3. 月経痛の鍼灸治療
内臓痛に対する鍼灸治療の効果は一般に不安定ですが、月経痛に関しては非常に効果があります。
a. 背腰腹部の治療
脊髄後枝反応→脾兪〜三焦兪の筋コリや圧痛点に施術
脊髄前枝反応→天枢〜横骨の筋コリや圧痛点に施術
b. 仙骨部の治療
陰部神経反応→中りょう付近の圧痛点に施術
c. 遠隔治療
腰神経叢興奮→大腿神経興奮→伏在神経興奮の機序で三陰交を中心とした下腿内側に皮膚過敏が出現します。これらの施術により関連痛をゆるめます。
d. 月経痛の鍼灸治療の実際
三陰交に皮内鍼すると、大部分の例で痛みは改善します。残存する痛みがなおも強いようならば、中りょう付近の圧痛点に皮内鍼を追加。それでも効果不足であれば、腰痛時には脾兪〜三焦兪、下腹痛時には天枢〜横骨の反応点に皮内鍼します。
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デルマトーム(皮膚分節) : おのおのの脊髄神経が支配する皮膚領域。
脊髄は出入りする脊髄神経の高さによって31節に分けられます。
デルマトームの感覚情報は、感覚神経線維によってそれぞれ特定の椎骨の脊髄神経根へ伝えられます。
脊髄の各部とつながる脊髄神経支配領域には分節構造があり、求心性の感覚神経による皮膚における分節が皮膚分節(dermatome)であり、
遠心性の運動神経による筋肉における分節が筋分節(myotome)です。
皮膚のすべての部位は、上下の隣接する2、3の髄節から同時に感覚神経を受けているので、個々の皮膚節の境界は明確ではなく、瓦を敷き詰めたように互いに重なり合っています。
体幹部では各デルマトームがほぼ環状の帯状をなして順次配列していますが、四肢では長軸方向に沿って並びます。
デルマトームは、脊髄疾患が脊髄のどのレベルにあるのかを診断するのに役立ちます。
三陰交 : 内果の上際の上3寸、脛骨内側縁の骨際。付近を探り最も圧痛のあるところ。
三陰交は鍼灸臨床で、産婦人科の治療として多用される経穴です。ただし、妊娠初期は三陰交に針灸しない方がよいとされます。
古典的には足の三陰経(脾経、腎経、肝経)が交わる処なので、治効範囲が広いと説明されています。
三陰交の治効機序は明瞭でないものの、三陰交のある下腿内側の皮膚刺激では伏在神経刺激です。
伏在神経は大腿神経からの分枝で、大腿神経は腰神経叢(L1〜L3の前枝とTH12・L4の前枝の一部で構成)の主要枝です。
Th11〜L1は骨盤内臓の交感神経支配を受けているので、これらの内臓異常では下腿内側皮膚に反応が出ることは考えられることです。
内臓疾患による関連痛は、デルマトームに出現することが多いと言われます。この考えを一歩進めれば、骨盤臓器異常時には下腿内側の皮膚刺激、すなわち施灸や皮内鍼などの皮膚刺激が適することが推定できます。
参考文献 : 医道の日本2010年4月号
インターネット上のブログ「現代医学的鍼灸治療」