岡山県倉敷市の鍼灸院「美和はりクリニカ」のトップページ多彩な愁訴を含む鍼治療のメニューページ悪血(おけつ)

 悪血(おけつ)

主な見出しメニュー


 悪血(おけつ)


はじめに

 おけつの「お」という字は正しくは東洋医学辞書でないと変換できないようですが、インターネット上では悪血という字が代用されているようなのでここでも悪血と記します。
また、ツボの名称を東洋医学辞書で漢字に変換しても通常のパソコン環境では文字化けするものはカタカナで記しました。ほかにも誤字が含まれているかもしれませんがご容赦ください。

ページ最初の見出しメニューへ


悪血(おけつ)の基礎および原因

 東洋医学では、生体の恒常性は、気血水の3要素によって維持されると考えられます。気の働きを担って生体を巡行する赤色の液体が血です。
その血の流通に障害を来した病態が悪血です。血管外に漏出した血(皮下出血など)も血の作用をなしえないので、悪血と認識されます。

 悪血の成因には、寒冷刺激や温熱刺激といった外的ストレス
打撲・手術・輸血・喫煙
精神的ストレス・運動不足・睡眠不足
高脂肪蛋白食・便秘などがあります。
これらの成因を考えると、悪血は高血圧・高脂血症・糖尿病・動脈硬化症・精神疾患といった現代病と深く関連していると考えられます。

ページ最初の見出しメニューへ


悪血の症状

 自覚症状としては、 不眠症 や精神不穏などの精神症状
顔面の発作的紅潮・多汗・ 冷え性 手足の火照りのような自律神経症状
頭痛・ 肩こり 筋肉痛・腰痛・全身倦怠感・口の渇きなどがあげられます。

 他覚症候としては、顔面の色素沈着・眼瞼部のくま・皮膚のかさつき・歯肉や舌などの下歯粘膜の暗赤紫色
毛細血管の拡張
臍傍の圧痛・回盲部やS上結腸部の圧痛等下腹部を中心とした圧痛
月経の異常・痔疾などです。

 悪血が関連する疾患としては、慢性 機能性便秘 や痔疾等の慢性消化器疾患
高血圧症・心血管障害・脳梗塞等動脈硬化性疾患
アトピー性皮膚炎や蕁麻疹などの皮膚科疾患
いわゆる腰痛症坐骨神経痛 などの骨関節疾患
更年期障害 など婦人科疾患
ヒステリーや神経症等の精神疾患があります。
以上リンクは、いずれも別ページで開きます。

ページ最初の見出しメニューへ


悪血の診断

 東洋医学独特の病態認識の一つである悪血を科学的に解明するためには、一定の診断基準が必要です。

 以下長文のため、一部省略しました。 「悪血の診断」の詳細 をクリックすると表示されます。

 なお東洋医学の腹診は、背臥委にして足を伸ばした状体で触診しますが、西洋医学の腹診は、軽く膝を曲げて腹壁の緊張を緩めた状体で行われます。
鍼灸臨床は腹診と背診が一体となって診察にも治療にも使われています。体調が優れないときに腹診・背診に基づく腹背の治療を加えて元気を回復することもしばしばあります。
様子を見守る程度の内科的な異常には、腹背診に基づく治療は基礎体力を付け恒常性を高めてよい体調に保つために大変役立ちます。

ページ最初の見出しメニューへ


悪血の鍼灸治療

 悪血の鍼灸治療には、全身療法と局所療法があります。
治療のための配穴や手技も一つではありません。事実それぞれの方法で効果があります。症状が多彩であるので、個々の症状にこだわることなく全体を調節することを優先します。

1. 全身両方
 悪血や腎虚・精神不安を治療するとされる要穴をはじめ、 精神的ストレスと筋緊張 は頸背部にこりとなって現れるので、頸背部の圧痛点の治療を行います。
すべて用いるのではなく、これらを取捨選択して配穴します。

 下腹部の圧痛硬結があるとき、駆悪血作用のある血海(膝蓋骨内上角を上る2寸。膝を伸ばし押して探ると、大腿直筋腱と内側広筋の境がわかる。この筋肉間中にとり、溝に沿って刺入する。)に留置鍼し15~20分後に腹部の圧痛の程度を確認すると、治療前にあった圧痛が消失または軽減する現象をしばしば観察できます。

 また、駆悪血穴としては、血海のほかに三陰交(内果上3寸。脛骨後際、4横指を3寸としてとる。付近を探り最も圧痛のあるところをとる。)
膈兪(第7~8胸椎間の外方1寸5分。肩甲骨下角の高さ。)
などに刺鍼すると、痛みが和らぎ硬結も次第に消失します。

2. 身体の部位による悪血の治療
 全身療法を施すとともに悪血の出現する部位は人によって違うので局所にも治療処置を施したほうが当然治療効果は高まります。
腰殿部の次リョウ・秩辺・会陽・居リョウ等のツボは、下腹部の血流を改善させます。とくに居リョウは血流障害が起こりやすい部位です。

 腹部悪血点といって、へその周囲など腹部の圧痛硬結が在るところに置鍼すると、局所の血流もよくなり鬱血も改善します。とくに、中注・天枢・大巨ナドハ左側に強く硬結・圧痛として現れることが多いツボです。
腹部の悪血を改善させることによってそれを原因としていた症状等が改善されていきます。刺鍼時の深さは腹筋の厚さによっても異なりますが、浅く刺鍼しても十分効果はあります。
腹部の圧痛や硬結部に3,4箇所置鍼を続けていると悪血による症状は徐徐に消失していきます。とくに腹部に手術痕がある症例では周囲に圧痛点を認めることが多く、ここに刺鍼していると悪血が原因で起こっていた症状が軽減することが多いようです。

ページ最初の見出しメニューへ