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 ストレスと自律神経失調症

自律神経失調症とは

健康を維持する上での三つのシグナル

ストレスの影響

自律神経失調症の一般的治療

自律神経症上への鍼灸治療

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 ストレスと自律神経失調症


自律神経失調症とは

 自律神経失調症とは、交感神経あるいは副交感神経が過剰に緊張することで発現する症状のことで、臨床的検査所見で器質的疾病がなく性心疾患もない場合に自律神経失調症と定義されます。
不安や怒りあるいは悲しみや恐怖などの情動(じょうどう;自律神経系の活動の変化(心拍数の上昇)などを通じて客観的にとらえることのできる感情)の興奮が過剰になるとそれが自律神経活動に影響し、交感神経と副交感神経の両者が同時に機能亢進する場合があります。体位性頻脈症候群には、屡々このような病態が潜在しています。

 以下リンクは、いずれも別ページとして開きます。
自律神経失調症は、倦怠感・易疲労感・集中力の低下・ 不眠症 情緒不安定(いらいら・不安・抑鬱気分など)、異常な食欲亢進や食欲低下
頭痛・微熱発熱・嘔気・ 機能性便秘 や下痢・動悸・血圧の異常・起立性頻脈など様々な不定愁訴を呈します。
疾患とは言えない程度の症状を主体とする病態から、病気として正しく診断し治療を必要とする病態まで、疾病単位としての広がりは大きいとされます。
原因疾患が特定できない不定愁訴の症例に、安易に自律神経失調症と診断することは避けるべきであるといわれています。

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健康を維持する上での三つのシグナル

 自律神経失調症では、いろいろな形で健康を維持する上でのアラーム信号が発せられています。三つの特徴的なシグナルが、疲労・痛み・発熱です。
疲労とは、ストレスが重なった結果現れてくる作業能率が低下した状態です。疲労はいろいろな病気の源でもあるため、未病の最たるものと言えます。
副交感神経の働きが大きく低下し、交感神経活動が優位となっています。
慢性疲労 がある人では睡眠障害が現れており、入眠障害・中途覚醒・早期覚醒などが観られます。

 自律神経失調症の二つ目の特徴は、痛みです。自律神経活動の調節障害が、頭痛や筋肉痛・関節痛などの痛みを引き起こしているらしいと言われます。痛みと自律神経系との間には、機能的に密接な関係があります。
関節痛などの慢性的な病態に悩んでいる人の場合、何かのストレスが加わり交感神経活動が亢進すると、痛みは増悪してしまいます。

 心理的ストレスによって発熱することはよく知られています。近年、心因性発熱の仕組みが明らかにされてきました。
心因性発熱には、いくつかの特徴があります。
解熱薬(げねつやく)の効果が無効であるか限定的な効果しか示さないこと。
発症に先行して心理的ストレス状況があることなどです。

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ストレスの影響

 心理的ストレスによって食欲がなくなったり無性に亢進したりすることがあります。近年、その調節の仕組みが明らかにされています。ストレスが自律神経系や内分泌系に影響し、消化管の働きが変化することが原因と言われます。
また、消化管の働きを調節するホルモンが脳に作用し、情動を変化させることも明らかにされ、脳と消化管との相互作用は脳腸相関(のうちょうそうかん;脳と腸がお互いに密接に影響を及ぼしあうこと)と呼ばれ注目されています。

 過労・ストレスなどが重なると疲弊し自律神経系が興奮し、交感神経と副交感神経の相反的(そうはんてき;互いに反対であること)な調節系が乱れ、両者の緊張弛緩のバランスが崩れ、自律神経の調節障害が招じます。
情緒(不安や抑鬱気分・怒りなど)の不安定性が自律神経活動の乱れを増悪し、自律神経失調症になります。
心理的なストレスは自律神経・内分泌系に働きかけ、副腎皮質ホルモンの分泌を促進し、副腎皮質ホルモンには免疫作用を抑制する働きもあるので免疫系の働きを低下させます。
ストレスにより関節リウマチなどの自己免疫疾患の症状が悪化すること、あるいは発癌の頻度が高まるなどの報告があります。

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自律神経失調症の一般的治療

 治療の基本は、ストレスとその背景を知るためのカウンセリングと、原因不明の病気ではなく心理社会的ストレスによる症状であることを説明し、患者の不安感を取り除くことにあります。
薬物治療とともに心身医学療法を併用すると、効果的だそうです。
適切な生活スタイルをアドバイスします。たとえば、その日のうちにすることの優先順位を決めてすべてを済ませることはしない。
二つのことを同時にやろうとしない。
こまめに休憩を取り、横になって目を閉じ心と脳を休める。
自律神経の過度の緊張を取ること、つまり交感神経・副交感神経のバランスの乱れを直すために、リラックスすることの重要性を説明します。

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自律神経症上への鍼灸治療

 鍼灸で交感神経と副交感神経のバランスを整えることは科学的に実証されているので、鍼灸で消化管の動きをコントロールし下痢や便秘を解消するという可能性はあります。
しかし、「効く人と効かない人がいるのはなぜか」ということが鍼に明るいお医者さんの間で問題になっています。
患者さん個々の体質の違いや、鍼の主義や方式の違い、技倆が影響しているかもしれませんが分かりません。健康保険の適用に厳しい制限が課せられている理由にも挙げられています。
低血圧の人はなかなか元気も出ず、鍼灸刺激を行っても症状の変化が見られないことが多いです。
高血圧や不眠・疲労の人は、副交感神経を高める目的でなるべく優しい鍼(刺入を軟らかく、深くならないよう)を心がけます。私は、全身調整で留置鍼を行います。

 本症の患者の特徴として、頭部の反応を触診することは欠かすことができません。
実証タイプは、頭痛や発汗・いらいらなどが中心で、頭頂部が堅く膨隆氏緊張した状態をいいます。
虚証タイプは、ふらつきやめまい・不安感などが主な症状で、頭頂部が平らで軟らかく頭皮がぶよぶよした感じが観られます。自律神経症上では、頭頂部全体がぶよぶよと鬱血状態のことが多いです。

 鍼灸治療は、原因の定まらないものに対しても血流改善・自律神経の安定を目的とした全身療法を行い効果を上げることができます。
自律神経に影響を与えるのにツボは厳格に気にしなくてもよいかもしれませんし、東洋医学では、施術者によって使用するツボも違うのでこれが正しいというものはありま せんが、古来からよく頻用されているツボがあります。

百会(ひゃくえ;頭重感・ふらつき・不安症など広く使用する)
完骨(かんこつ;不眠や胸鎖乳突筋の過緊張に効果的)
中カン(ちゅうかん;神経性胃炎など腹部の不快感)
巨闕(こけつ;ストレスなど心因性からくる自律神経症状に使用する)
背部兪穴(ストレスやいらいらからくる緊張)
足三里(あしさんり;万病疾患に広く私用される)
三陰交(さんいんこう;婦人科疾患には欠かせない)
内関(ないかん;動悸や嘔気)
澤田流神門(しんもん;あらゆるストレス症状(不眠・便秘・動悸など)の常用穴)
急なストレスがかかるなど自律神経の失調時(交感神経優位)には、澤田流神門を陰ゲキ(いんげき)に変更します。

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