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 頭部刺鍼の可能性

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 頭部刺鍼の可能性


はじめに

 様々な鍼治療法の中にも、医師によって考案された慢性疼痛や難治性の症例に対して活用されている頭鍼療法があります。脳への刺激によって脳幹部の血流量がよくなるのだと考えられると言っておられます。
脳幹は、上から間脳・中脳・橋・延髄の部分に分けられ、生命維持に関与する意識・呼吸・循環を調節するなど、脳幹の果たす役割はきわめて重要です。
早期からの鍼治療がよいというのも、リハビリはなるべく早期から行う方がよいと言われていることに通じます。

 急性の痛みは、原因である組織をメインに治療すればよいと思いますが、慢性痛の場合は原因を探せないことや、鎮痛機構が減弱している可能性があります。そのため、様々なアプローチが必要であると考えられます。
手足へ行く神経は延髄で交差していますが、体幹の筋肉を支配する神経は交差せず、同側を下行するとも言われています。しかし、脳の刺激部位と同側の体幹の傷害部位の改善を理論的に説明するのは難しく、そこがおもしろい所でもあると言われています。
ツボに機能局在があり、刺す場所・刺し方・刺す深さを変えることによって、今まで明らかにされていない治療効果がある可能性も感じると別の先生も言われています。臨床では、病態によって経穴(ツボ)も動いていると考えられます。,

 いかにして痛みを軽減するか、学問的な理論も大切ですが、あまりとらわれず患者の満足度を上げること、解放に剥けることが大切だとおっしゃられました。
偏頭痛 の患者で発作が多い人は、頸部から肩部の筋肉をほぐすと頭痛発作の回数も減り、発作時の頭痛の程度も軽減します。筋肉の緊張を軽減することが中枢に影響して、病態事態も改善するのではないかと思われます。

 まれに、病院で単なるぎっくり腰と診断され、1ヶ月以上も激痛で直らないと来院される患者さんがおられます。通常1週間以内で直るのが普通ですが、鎮痛機構が減弱している可能性があり、当院でも直らないことを経験しました。
発症後1ヶ月以上経過して、 いわゆる腰痛症 の腰痛治療を数回行っても治らない場合に、下記に記す前頭部の一定領域の刺鍼を追試してみる価値はありそうです。

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頭頂部刺鍼の臨床的応用

 交感神経と副交感神経は拮抗作用を有していると長い間考えられてきましたが、現在では副交感神経と交感神経は、ともに昂進や低下を起こすと考えるのが一般的となっています。
交感神経だけが優位な状態が長く続くと、体の不調につながります。両方が低くなると、無気力になり、引きこもり・うつなどにつながることも問題視されています。心身の健康のためには、副交感神経を高める方法を身につけておくことがカギとなります。

 もし患者さんが明らかに交感神経と副交感神経の一方に偏っていたら、以下に関連する経穴(ツボ)にアプローチします。必ず使用するわけではありませんが、以前からよく頻用されてきた方法です。

 百会(ひゃくえ;前髪際を入ること5寸、正中線上。左右の耳尖を結んだ線が正中線と交わる所の陥凹部。)
適応症は、高血圧タイプ、交感神経過緊張に用います。 不眠症 ・全般的に痛みを感じやすい・頸部の緊張・発汗など幅広く使用します。
百会とともに補助穴として、後頂(ごちょう;百会の後1寸5分、正中線上)を用います。いずれも後方(脊柱)に向けて水平刺または斜刺します。

 シン会(しんえ;前髪際を入ること2寸、正中線上。百会の前3寸に当たる。)
適応症は、低血圧タイプ、副交感神経の過緊張に用います。 アレルギー性鼻炎 ・喘息・胃痛・過敏性腸症候群(主に下痢)・夜間頻尿など幅広く使用します。前方に向けて水平刺または斜刺します。
取穴の注意点として、百会とシン会のどちらかを選びます。両方の経穴は、組み合わせません。

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前頭部刺鍼の可能性1

 前頭部で使用するツボの位置に関しては、一般向きではないため省略しました。 前頭部で使用するツボの詳細 をクリックすると表示されます。
なぜそのツボが効くかについて、著者が現代医学と東洋医学を考察しひもといておられますが、ここでは省略しました。

 左前頭部の一定領域の治療が、慢性の痛みや腸疾患に圧倒的に効果を示すと言われている有名な鍼灸治療家がおられます。
過敏性腸症候群(IBS)の病態は腸自体にあるのではなく、ストレスによる脳の興奮状態や内臓感覚の脳内情報処理過程にあると考えられており、目窓でIBSが改善したら反影ポイントであることの証明にならないだろうかとおっしゃられています。
痛みは脳で感じるわけですが、これを鎮める役目をするのがこの領域です。そして、ネガティブな感情をコントロールする所でもあります。
ストレスやショック・恐怖によって痛みが強くなり、また長引けば長引くほど機能低下が見られます。これにより脳の鎮痛の仕組みが衰え、痛みの回路を鎮められず苦しめられます。また、うつ病の患者でも萎縮が観られます。

 前頭部の頭皮のツボ(頭臨泣・目窓など)と左前頭部の脳機能との関連性は定かではありませんが、最近の研究的治療法によって慢性疼痛の除痛効果が得られると報告されている刺激部位と頭維・頭臨泣の位置は類似しているそうです。
慢性疼痛は、交換神経が過緊張であることが多く、交感神経過緊張には、左外関(がいかん;手関節背面横紋のほぼ中央から上2寸)と左頭臨泣を用います。
交感神経過緊張は、痛みを増加させます。この緊張を下げることにより、疼痛や多症状も改善されると思われます。

 前頭部の一定領域の治療には上向きに寝てもらい、現代鍼灸と古典のそれぞれの頭臨泣・目窓・正営の計6穴の陥凹・圧痛・熱感のある箇所を探し、および左外関のセット鍼治療が提唱されています。
前頭部は、患者さんに鍼の刺入痛を感じさせないように前髪際から後頭部に向けて斜刺または水平刺。左外関は、皮膚に対して垂直に刺鍼し、20~30分留置鍼します。

 帯状疱疹が左の三叉神経第1枝領域に出現した場合には、この領域を使うことができません。その場合には、右前頭部の同じ領域を代用し、左外関とのセット治療を行います。また混合性の障害時には、左右の頭臨泣・目窓・正営と左外関が効果が期待できます。

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前頭部刺鍼の可能性2

 睡眠障害・糖代謝異常・うつ症状があると、巨闕(こけつ)などみぞおちに圧痛が現れます。特に睡眠障害と関係があると言われます。
これらの治療には、正中線上の神庭と左側の本神・曲差・眉衝を使用します。特にうつやパニック障害があると、左曲差を付け加えて追試されています。
糖尿病の患者が 坐骨神経痛 で来院されたら、直接局所に治療しても効かない。もしくは、悪化するかもしれない。
神庭・左側の本神・曲差・眉衝によって、痛みを消失することができたと症例報告されています。

 ストレス・不安・恐怖・慢性の痛みを抱えると、左の脳領域の活動が大きく変化することが分かりました。さらに研究によると、うつ病患者の左脳の前頭葉や頭頂部に軽度の血流低下が見られることが分かってきました。そして、体表に出ている反応穴がどのツボなのかと考え、著者は左曲差と確信したそうです。

 頭皮は、堅いよりぶよぶよしている方が効きやすく、極力無痛で刺入していきます。
事故や衝突・頭を打つ・ボールが顔に当たるなどの衝撃的なできごとがあると、右側の期門(きもん)など腹部に圧痛が現れます。左側の曲差・眉衝に斜刺で刺入していくことによって、圧痛が改善します。

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