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 肋間神経痛と鍼灸治療

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 肋間神経痛と鍼灸治療


神経痛とは

 神経痛とは末梢神経の支配領域に一致して生じる痛みで、一般に激烈です。
原因不明で明らかな病理学的変化の認められない、すなわち機能異常によるものを特発性あるいは真性神経痛と呼び、狭義の神経痛を意味します。
特発性神経痛に属するものとして、三叉神経痛と舌咽神経痛のみが知られています。言い換えれば、これらの神経領域以外の神経痛は、原因疾患を考慮しなくてはなりません。
一般に特発性神経痛は、特別の誘因なく突然発作性・反復性に痛みが生じますが、神経領域に灼熱感・緊張・蟻走感(ぎそうかん)などが前駆することもあります。
間欠時には痛みがなく、痛み以外の他覚的な感覚障害を伴いません。疼痛発作は、数秒から数分であることが多いとされます。

 一方、種々の原因による末梢神経障害に基づく二次性の神経痛を、症候性あるいは 偽性神経痛と呼びます。
症候性神経痛は痛みが持続的で、他覚的感覚障害(触覚・圧覚・温度覚など)や運動障害を伴います。
また、持続的な痛みは損傷部位だけでなく感受性亢進を引き起こし、実際の損傷部位より広い範囲にわたって痛みを感じるようになります。

 罹患神経は一般に刺激に対する感受性が高く、圧迫による痛みが容易に誘発されますが、その部位は神経が骨・筋肉・筋鞘から出る部位であることが多く、これをヴァレーの圧痛点と言います。
また疼痛の激しい時には他の神経領域に痛みが放散することもあるので、罹患神経との鑑別を要します。経過は、数日から数10年に及ぶものまで種々です。

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肋間神経痛

 肋間神経痛とは、肋間神経の支配領域に一致して招じる痛みを示す症候名です。肋間神経は、背中から出て胸腹部に分布する末梢神経で、胸髄から出た12対の胸神経の前肢からなります。
上部7対は肋骨に沿い胸骨に向かい、下部5対は前下方に向かって走行し腹部に分布します。

 代表的な原因としては
1. 神経が骨や筋肉の間にはさまれ刺激されて生じる絞扼(しめつけられる)神経症
不自然な姿勢や疲労から突然起こり、一時的なもの
2. 帯状疱疹
痛みが非常に激しく、2週間ぐらいで痛みが減少する。疱疹が現れるが、稀に現れない場合がある。
3. 肋骨の骨折や亀裂
特に、骨粗鬆症の症状が表面化しやすい中年女性に多く認められる。しかし小さなものは見つけにくい。
4. 胸膜炎・肺炎・肺ガン
などです。

 胸膜炎は、屡々肋間神経痛と誤診されることがあります。シェッペルマン徴候は、胸膜炎と肋間神経痛とを鑑別する徴候で、胸膜炎では上体を健側に曲げると疼痛が増し、神経痛では逆に患側に曲げると疼痛が増加します。
肋間神経痛の症状は、症候性神経痛の特徴(持続的疼痛・他覚的感覚障害・運動障害)に加えて一般に片側性で発作性に増強し、脊柱より肋間を伝わって前胸部に放散するのが特徴です。

 左側に多く、第5~9肋間神経が傷害されやすいです。
ヴァレーの圧痛点は、脊柱側縁(脊柱点)・腋窩線上(外側点)・胸骨縁(胸骨点)および腹直筋の中線上(上腹点)です。
時に迷走神経緊張症(徐脈・低血圧・顔面血管拡張による紅潮・下痢ほか)やホルネル症候群(瞳孔縮小症ほか)などの交感神経機能低下症状を伴います。

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帯状疱疹

 帯状疱疹は疼痛から始まるため、皮疹出現前では本症とは予想できず、鎮痛を目的に鍼灸院を来院されることもあります。皮疹が発現することで病名が明らかとなります。
鍼治療後に発疹が出現した場合、発疹出現後72時間以内に抗ウイルス薬を開始すれば合併症・後遺症を残しにくいので、直ちに皮膚科を受診してください。
帯状疱疹の臨床症状は、疼痛と帯状の皮疹です。この疼痛を急性期帯状疱疹通と呼び、痛みがいかに強烈でも現代医療で対応できるとされています。
帯状疱疹後神経痛は、急性期痛とはメカニズムが違うため、通常の抗炎症薬は有効ではないと言われます。

 帯状疱疹痛は、急性期の炎症性疼痛(可逆性 : ある条件を加えると元の状態(変化の前)に戻ること)であり、これに対して帯状疱疹後神経痛(PHN)は、炎症後の神経変性に起因する疼痛(非可逆性 : どんな条件を加えても元の状態に戻らないこと)であることから難治性の神経因性疼痛を呈します。
帯状疱疹後神経痛の患者は、やけ火箸を当てられたような、きりで刺されるような、電気が走るような、ナイフで切り裂かれるような、締め付けられるような痛みと表現します。

 現代医療において、帯状疱疹後神経痛に対する完成された治療方法は今だ確立されていません。予防が最良の治療法であることから、帯状疱疹の痛みに対する治療は、神経損傷が可逆的である発症早期に皮膚科を受診し、強力な除痛治療を行い、帯状疱疹後神経痛への移行阻止が最大の目標です。

 以下、画面サイズの小さな端末を考慮し、長文のため省略しました。 「帯状疱疹」の詳細 をクリックすると表示されます。

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肋間神経痛の鍼治療

 鍼灸臨床では、鍼灸治療の適応・不適応の鑑別の後施術を行うことが大切となります。鍼治療の原則は、第1に安全・第2に効果的な鍼灸治療です。
的確に原因部位を見つけて確実に治療を行うと、直りはかなり早くなります。
肋間神経痛の特徴は、痛みの部位 → その局所に筋緊張を伴っていることです。筋緊張があれば、当然組織の中を通る血管および神経は圧迫されることになります。その筋緊張が鍼で緩和できれば、圧迫されている血管や神経も正常状態に戻ります。
鍼を深く刺さないで治療効果を上げるためには、筋膜部での雀啄術(鍼を微小上下動させる)による刺激が有効です。

 基本的な治療方法は、圧痛のある傷害部位の棘突起間直即(夾脊穴)に直刺
腋窩線上(脇の下からの垂直線)の肋骨下縁の圧痛点(側胸点)に肋骨下縁にそう方向に斜刺
胸骨縁の肋骨間の圧痛点(前胸点)、および下群の肋間神経痛の場合は腹直筋の中線上(上腹点)に10分程度の留置鍼を行います。

 肋間部への刺鍼部位は、肋間神経走向部の圧痛点・硬結です。治療のポイントは、圧痛点・硬結を触診で正確に検出し、刺鍼することです。
鍼治療の目的は、肋間神経を圧迫している筋の緊張緩和です。
肋間部での刺鍼では、皮膚表面から 6~7mm 刺入すると、鍼先が外肋間筋の筋膜で刺鍼抵抗が高まる部分に到達します。
この部分で上下動 2~3mm、1秒間に1~2会の雀啄を行うと、筋緊張が緩み鍼が入りやすくなります。しかし、鍼をそれ以上(10mm以上)刺入すると気胸の危険性があります。
鍼が入りやすくなった状態を確認できたら、刺鍼方向に沿ってゆっくり抜鍼します。肋間筋の緊張が緩むと、肋間神経の痛みが緩和します。
私はやせた人には安全のため、圧痛点に円皮鍼(絆創膏に1~2mmの長さの鍼が付いている)を貼付します。
外肋間筋の緊張を緩和する目的であれば、刺鍼の深さは8mmで十分であり、刺鍼深度は8mm以内の刺鍼に止めます。

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