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 腰痛症の鍼治療

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 腰痛症の鍼治療


鍼灸の適応・不適応の鑑別

 内臓性腰痛は自発痛で、その痛みは運動による影響を受けません。全身状態が良好かどうか・ガンの既往歴なども重要です。
夜間痛・自発痛が激しく、動いても痛く安静にしても痛みは楽にならず経過が進行性であれば、速やかに病院で検査をおすすめします。
ぎっくり腰などの脊椎性腰痛は、特に動き始めが痛いなど運動痛であり、安静により痛みが軽減することが特徴です。この場合は、鍼灸の適応となります。

 上向きで寝る場合は、「膝の下に座布団や枕などを楽な高さに調節して寝る」ことにより骨盤の前弯を減らすので、その姿勢が勧められます。
腹臥位で寝ることは、腰椎の前弯が増強するため避けてください。腰痛の時は、側臥位で患側を上にして膝を軽度屈曲する姿勢が楽になります。
腰痛に限らず急性激痛の時は、入浴は厳禁してください。炎症がおきているときに暖めると後で痛みが増悪します。シャワーなどですませてください。
急性発症直後は、とくに椎間関節捻挫の患者は疼痛の強い期間の2,3日は安静臥床を守ってください。
腰痛を起こす疾患はたくさんありますが、急性のぎっくり腰の場合予後は良好で、約1週間、治療回数では2~4回ぐらいで緩解します。
治療に長期間かかり、難渋する脊椎性の慢性腰痛性諸疾患との区別が必要です。

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鍼灸治療の実際

1. 患者の体位
 側臥位で背中を少し丸めることで、脊柱の棘突起や椎間関節などを触診しやすい状態で行います。患者が楽な姿勢で行うことが大切です。
腹臥位が長く続くと、腰椎の前弯が増強することで起立筋群の筋が過緊張を起こし、かえって疼痛を増悪させてしまうことがあります。

2. 病態別刺鍼部位
a. 筋・筋膜性
 脊柱起立筋・多裂筋・腰方形筋・殿筋などの筋の過緊張や反応点のある部位に刺鍼します。長時間の座位・前傾姿勢の立ち仕事などは殿筋の緊張を起こしやすく、圧痛や硬結がよく認められやすい部位としては、大殿筋は仙骨外側部、中殿筋は腸骨稜の直即に頻度が高く出ます。
腰筋と対応関係にある腹筋の緊張を、背部多裂筋の関連痛として天枢・大巨などのツボで確かめ、留置鍼して腰部の筋緊張の緩和を経験することがあります。
そして下肢筋にも圧痛を認めることが多く、主に下肢後側の委中・陽陵泉・承山・崑崙などの経穴(ツボ)から選択して刺鍼します。

b. 椎間関節性
 椎間関節付近への刺鍼により、疼痛部位への響き感がポイントとなります。棘突起の下端より外方約2cm、または2横指外側が椎間関節部の中央に当たる点とします。
直刺で深刺した際、もちっとした感覚(粘着感)の組織が鍼先を通して感じられ、疼痛部位への響き感が得られればよいとします。
逆に、疼痛部位への響き感が得られない時は効果が期待できないといわれますが、発症直後は深刺はできないので、私は発症から2,3日は周辺に浅刺をします。
直すこと以上に、悪化させないことがリスク回避の上でも重要だと思います。
とくに椎間関節性は、発症から2日間は冷湿布をして安静にしているのが1番よいと個人的には思っています。

c. 椎間板性
 椎間板性であれば、腰部の椎間部に関連する皮膚や筋・または神経を介した刺激をします。圧痛部への刺鍼により、深部に響き感が得られることが重要です。

d. 仙腸関節性
 仙腸関節性であれば上後腸骨棘周辺に痛みがあり、ゲインズレンテスト・ニュートンテストが陽性となり、仙骨外縁を圧すると症状部位に痛みが放散することがあります。
この場合、仙骨外縁や上後腸骨棘の直下よりやや外側部を刺激します。経穴部位としては、上リョウ・次リョウの刺鍼により痛みの自覚部位へ放散すれば直後効果が高いと思われます。

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特効穴治療

 東洋医学的な治療法として、現代医学的な病名に関わらず、腰痛の特効穴として腰腿点(ようたいてん)があります。
腰腿点の場所は、手の甲に二ヶ所あります。一つは、手の甲の人差し指と中指の骨が交わる手前にあるくぼみで、指伸筋の親指側中央にあります。
もう一つは、薬指と小指の骨が交わる手前にあるくぼみで、指伸筋の間の中央にあります。
再現性や治効理由はわかりませんが、現代医学的な鍼法では得られないような驚くほどの効果を示すことがあるようです。私は今まで、東洋医学的な方法には消極的でしたが、最初に試してみる価値はあるようです。

 ヤコビー線より上部の治療には第2~第3中手骨接合部、下部の治療に対しては第4~第5中手骨接合部で取穴します。
腰のくびれ部分に手を当てて指を下方向に向けると、その指あたりに骨盤の上部に位置する腸骨があり、弓なりに感じられる部分が腸骨稜です。
ヤコビー線とは、左右の腸骨稜(ちょうこつりょう)の最高点を結んだ線のことで、第4腰椎棘突起あるいは第4腰椎と第5腰椎の間の高さに一致します。腰椎穿刺や腰椎麻酔を安全に行うための基準となる線です。

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腸腰筋への刺鍼

 腸腰筋は大腰筋と腸骨筋からなる股関節の屈曲筋で、特に慢性の腰痛患者では腸腰筋が緊張・短縮していることも少なくなく、腰殿部筋への刺鍼と合わせて行うと効果的です。
腸腰筋へのアプローチ方法としては安全性と確実性を考慮し、刺鍼部位としては筋腹に当たる大腿三角部(スカルパ三角)に刺鍼します。

 腸腰筋への刺鍼ポイントである大腿三角部とは、鼠径靱帯と縫工筋と長内転筋の三つに囲まれた三角の部です。
三角形のほぼ中央あたりに指をあて、大腿動脈の拍動を触知したら、その更に外側には腸骨筋(腸腰筋の一部)が位置します。
自身がふれている組織が腸骨筋であることを確認するためには、股関節を軽く屈曲してもらい腸骨筋を収縮させます。
大腿三角の領域の経穴(ツボ)としては、足五里・陰廉・衝門(しょうもん;大腿動脈拍動部(鼠径靭帯のほぼ中央))などが相当します。

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