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 慢性疲労

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 慢性疲労


だるさや倦怠感

 だるさや倦怠感は鍼灸臨床上比較的多い愁訴の一つですが、だるさは器質的疾患でも精神的疾患でも多くの疾患で呈する症状です。
だるさの原因を大きく四つに分類すると
1. 過度の運動や睡眠不足などによる筋肉疲労
2. 感染症や内分泌疾患などの器質的疾患
3. 鬱病・鬱状態・不安障害・適応障害などの精神的疾患
4. これらの混合状態
とすることができます。

 器質的疾患(レントゲンや内視鏡により、形態的な異常が見つかる疾患)が原因のだるさは
1. 病歴が短い
2. 朝は軽いが、昼から夕方には悪化してくる
3. 日増しに増悪する
4. 動作で悪化し、休息にて軽減する
5. 特定の器質的疾患を示唆するほかの身体症状を伴う
のが特徴です。

 一方、精神的疾患の特徴は
1. 病歴が長いか繰り返す
2. 朝から自覚する
3. 日によって変動する
4. 動作に関係なくだるいか、動作時はむしろ軽減する
5. 休息にても軽減しない
6. 非特異的な症状が多数認められる
等の特徴があります。

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単なる慢性疲労

 慢性疲労は、急性疲労が日常的にくり返されることにより蓄積し、常に疲労感を訴える状態を言います。精神的疲労と肉体的疲労は、相互に関連しています。
単なる慢性疲労と慢性疲労症候群(CFS)は異なり、CFS は臨床診断基準が設けられています。
慢性疲労の心理学的評価として、ビジュアルアナログスケール(VAS)は、最も簡単な主観的評価法です。
0 : 疲労が無い状態
100 : 想像できる最悪の状態
として疲労状態を評価します。

 精神疲労の最大の要因に、睡眠障害があります。疲労と睡眠障害には、密接な相互関係があると考えられています。
慢性疲労は、不安感や鬱などの心理的ストレスや睡眠障害と関連していることが示唆されています。

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慢性疲労症候群(CFS)

 慢性疲労症候群(CFS)は、慢性の激しい疲労感を主張とし、微熱・頭痛・のどの痛み、筋肉痛などの全身症状および不眠と過眠、抑鬱気分などの精神症状を伴う症候群 であると定義されています。
慢性疲労症候群の臨床診断基準は煩雑で、6ヶ月以上持続ないし再発をくり返す慢性的な疲労を主訴とした患者を診察する場合、前提1・2・3を満たしたときCFS と診断されます。
さらに、疲労病態の客観的な評価を行うために、CFS のレベル診断を行い、0~4の5段階で実施することが望ましいとされています。

 一般臨床検査では特異的な異常所見は認められず、問診票を用いた症状診断と臨床検査による除外診断を組み合わせたものが行われています。
原因不明で、発症年齢は 20~50歳に多く、30代にピークがあります。男女比は、1 対 2と女性に多いといわれます。

 考えられる原因として、私たちの身体は、神経系・ホルモン系・免疫系の3つがバランスを保って働いています。ところが、ストレスをきっかけにして、神経系の働きに異常が生じ、免疫の働きが低下すると、体内に潜伏していたウイルスが再活性化されます。
そして、再活性化したウイルスを抑え込むために、体内では、免疫物質が過剰に作られるようになります。この過剰に作られた免疫物質が、脳の働きに影響を及ぼし、強い疲労感や様々な症状を起こすという説が有力です。

 慢性疲労症候群(CFS)の特徴としては、感染症などを契機として始まることが多く原因としてウイルスなどの感染症が考えられてきましたが、原因病原体は今のところ見つかっていません。
また、CFS における代謝異常や脳神経機能の病変も指摘されていますが、これが本質的な病態とどのように関連しているかは定かではありません。

 慢性疲労の特効薬といったものはなく、漢方では慢性疲労を気虚としてとらえ治療されています。CFS は、屡々線維筋痛症用の疼痛を伴うことが多くあります。
実際に患者はもっともひどい疲労期間にもっとも強い疼痛と集中力の障害を経験します。大部分の患者は仕事や社会生活を続けることができますが、自由選択の活動は最初に諦めざるをえなくなります。
幸いにも、 CFS は進行することは稀であり、多くの患者は徐々に改善していく経過をたどります。

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慢性疲労に対する鍼治療

 慢性疲労患者の身体所見としては、頸肩部のこりや頭痛・背腰部や肩甲間部の酷いこり・胃部不快感・頭頂部のぶよぶよ・前頸部から鎖骨上窩にかけてのこりや痛み・下腿部(脛骨上)の浮腫(むくみ)などがあります。
病的な慢性疲労の患者はほとんどの場合、頸部・肩背部・腰部の全体に慢性的な筋硬結が観られ、筋肉がスパズム(筋攣縮とも言い、持続する筋肉の不随性収縮。筋内圧の上昇により、筋内の血管が圧迫され虚血状態になると、そこから発痛物質が拡散し、痛みを生じてくる。)状態になっています。

 東洋医学的腹診では、心下痞硬や臍傍圧痛の腹証が多く、心窩部(みぞおち)や臍の周囲に緊張や圧痛がよくみられます。
一方背腰部では、第7~8胸椎の棘突起間およびその両側の脊柱起立筋群に圧痛や硬結が認められることが多く、至陽 膈兪や肩胛骨内縁の膏肓などの経穴(つぼ)を始め、頸肩背腰部の圧痛硬結に刺鍼します。そのほか手足の末梢部では、曲池 足三里 太衝等の圧痛に刺鍼します。

 つまり全身調整ということで、胸腹部や背腰部の過緊張緩和を目的に反応が認められる経穴を選択し、全身の血行改善・浮腫の軽減・不定愁訴の軽減を目的に 治療を行います。
全身治療が基本ですが、過剰刺激にならないように各種症状に対して直接行うのも重要で、全身の病的状態を指先での触診で感じ取って、痛み・筋スパズム・浮腫・圧痛硬結などの病的な肉体表現を除去することにより、患者の訴えている各種愁訴を取り除いていきます。
鍼をすると、翌日体が軽いと患者さんに言われます。治療直後よりもむしろ翌日の方が楽なようです。しかし、刺激が多すぎるとかえってだるくなるようです。個人差があるので初診の人には、その刺激料には難しさを感じます。

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