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 メニエール症候群

メニエール病とは

めまいにおける鍼灸治療の適応・不適応の鑑別

メニエール病の鍼灸治療法

東洋医学的な内耳性めまいに対する鍼治療

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 メニエール症候群


メニエール病とは

 めまいを来す疾患として最も知られているのが、メニエール病です。メニエール病の診断基準は
1. 発作性の回転性めまいを反復する。
めまいの持続は、10数分から数時間。
2. めまい発作に伴い、変動する蝸牛症状(耳鳴り・難聴)がある。
3. 内耳神経以外の神経症状がない。
4. 原因を明らかにすることができない。
中耳炎・外傷などがないことを確認する。諸検査で、内耳障害の原因を見いだせない。

 本症の病態は、原因不明の内リンパ水腫です。内リンパ圧の上昇は、感覚細胞を乗せて震動する蝸牛基底板(かぎゅうきていばん)の動きを全体的に悪くするので、低音障害型の内耳性難聴となります。
メニエール病の発作に先行して、自律神経のアンバランスが存在します。内リンパ液の産生・吸収には、自律神経が関与すると考えられています。
そこでストレスを貯めないような生活指導のほか、医療機関では発作前に精神安定剤の投与などが有効だそうです。
メニエール病患者には水分代謝の障害が起きています。低気圧がくると、発作を起こしやすいことも知られています。
東洋医学的にもメニエール病は水毒と考えられ、治療されています。

 一般にめまい患者の 70~80% は、内耳の障害によると言われます。
しかし、診断基準に合致するメニエール病患者は、めまい患者の中の 10% 未満といわれます。

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めまいにおける鍼灸治療の適応・不適応の鑑別

 鍼灸治療の適応疾患は、神経症状を伴わないめまい疾患です。メニエール病およびメニエール症候群、良性発作性頭位めまい症、頸性めまいです。
良性発作性頭位めまい症は、耳石の断片化が内リンパの中を動くことによりめまいが生じます。安静にしているよりも動いた方が、めまいの回復が早いことが判っています。
頸性めまい は、左右頚部の筋緊張異常が引き金になって発生するめまいであり、頚部の筋緊張を緩和することによりめまいが改善可能です。

 逆に不適応の疾患は、中枢性めまい(脳出血・脳腫瘍など)です。特に、神経症状を随伴しためまい患者が来院した場合は、専門医(耳鼻咽喉科または脳神経内科)の受診を早期に進める必要があります。
神経症状とは、手足・顔のしびれ感、目の焦点が合わなくなる、言語障害、意識障害などです。

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メニエール病の鍼灸治療法

1. 頭頸部刺鍼
 風池・百会・安眠穴は、めまいに頻用されます。
内耳の血流に影響を与えるには、耳周囲のツボ刺激ではなく、椎骨動脈に影響を与えるような頚部に対する刺激です。

2. 頭頂部浮腫帯への刺鍼
 「めまい患者は、発作が起こる時期になると百会を中心とした広い範囲の領域で皮下浮腫状態が観察され、発作が静まるとその程度が減弱する。めまいと水毒、水毒と百会は密接な関係がありそうだ」
という報告があります。

 前庭器官は、機能低下を中枢が代償するようになるのでめまいは代償機能が発揮されると軽減されますが、難聴・耳鳴りは代償機能がないので治療成績はあまりよくありません。
めまい患者に観る頭頂部付近の浮腫部分を刺激することが、めまい治療につながる現代医学的根拠は定かではありませんが、想定されることとして脳脊髄液還流不全の可能性のあることが指摘されています。
聴覚機能を代替できる器官がないため、慢性メニエールでは恒常的な難聴(感音性)・耳鳴りが主訴となってきます。

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東洋医学的な内耳性めまいに対する鍼治療

 鍼灸師に必要な現代医学的知識は、確定診断のための詳細な知識よりも、どの医療機関にどのタイミングで紹介するかを判断するための知識です。鍼灸治療を行うにあたって現代医学的分類はあまり意識しなくてもよいと思われます。

 治療点は、頭頚部の触診による圧痛の程度により決定し、めまい発作の反復例には
百会(頭頂部正中線と両耳をつなぐ線の交点)
四神聡穴(百会の前後左右1寸)
に圧痛が少しでもあれば必ず使用し、反応点への留置鍼が多用されています。
精神的ストレスが身体的違和を来しているとき、頭部の鍼(特に百会・シン会)が大変有効であるということは、よく知られています。

 メニエール病に類似した症候には、水分代謝の調整を行います。水分代謝は、脾胃の機能と密接な関係があります。
頭頸部・背部・腹部・上下肢などの経穴が用いられています。特に頭頸部の反応や、東洋医学的には全身の状態(水毒・肝の異常・気虚)などを観ます。
頭頚部にのみ鍼治療を行うと悪化する病態もあり、体の上下のバランスを整える目的で、下肢にも鍼治療を行います。

 東洋医学的視点では、中でも水毒とめまいの関係はよく知られています。
肝の異常が考えられる例では、肝経に属する経穴の反応をみて足部の治療点を選択しますが、足部の治療点は施術者によって様々です。
気虚の改善は特に慢性的にめまいを訴える患者には考慮すべきで、脾や腎へのアプローチが重要と考えられます。
脾と腎の機能低下は水毒の発生と関係することが知られており、めまいの予防にも役立つものと思われます。
虚の状態の治療点として、腹部(中カン・関元)、背部(脾兪・腎兪)、上下肢(足三里・照海)などが代表的な経穴です。
やせ形の気虚タイプの患者では、筋肉は脆弱で側頸部の筋緊張だけが異常に強く見られる場合、頸部の刺鍼を行ったさいに気分が悪くなる場合があるので、極軽い浅刺にとどめる必要もあります。

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 水毒と気虚 : 水毒とは、東洋医学において人体に水分が溜まり、排出されないことによって起こるとされる諸々の症状のこと。
水分代謝が影響を受けて体内のあちこちに水分が停滞し、種々の病症が発生するようになります。
冷え・めまい・頭痛・アトピー・鼻炎・喘息・疲労感・頭重感・むくみなどは、水分代謝異常(ある種の水分の偏在)によって引き起こされる“水毒症状”です。

 気とは東洋医学の概念で、一種のエネルギーです。慢性的に気が不足した状態、それを気虚といいます。
気には先天の気と後天の気があります。先天の気とは生まれながらに持っている気で、後天の気とは食べた物によって生じる気です。
気虚の原因は後天の気の不足と考えられます。食べたものが体に吸収され血になり、気のもとができます。血は全身を巡り、酸素や酵素の作用によりエネルギーが発生します。これが気です。
そのため、胃腸がもともと弱かったり、機能が低下したりしていると、どうしても気が不足しやすくなります。

 気が不足していると、まずあらわれる症状は、疲労倦怠感です。だるい・疲れやすい・不正出血になりやすい・食欲がない・胃がもたれやすい・下痢しやすい・胃腸虚弱・一般的には痩せている・発育が悪い・内臓下垂など、消化器の機能低下による症状を伴うケースも多くみられます。
また、気は体を温める作用もあるため、気が不足していると、手足がいつも冷たい・体温が低い    といった症状も出ます。また、すぐに風邪をひいてしまったり、花粉症などのアレルギー症状も現れやすくなります。

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