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 下肢のしびれや冷感で鑑別を要する間欠性跛行

馬尾性間欠跛行とは

馬尾型の鍼治療の考え方

間欠性跛行を呈する疾患

閉塞性動脈硬化症

見のがしてはいけない閉塞性動脈硬化症

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 下肢のしびれや冷感で鑑別を要する間欠性跛行


馬尾性間欠跛行とは

 神経性間欠跛行の中でも馬尾型の見きわめには、自覚症状の聴取を主とする問診が最も重要です。
馬尾症状の進行例では、両側の脚にしびれ(特に足底にあり、患者はいつも砂利をふんでいる感じなどと表現する)が安静時にも出現するようになりますが、左右の脚に同程度の症状がある場合には、糖尿病性などの末梢神経障害を含めた他要因の関与も考慮する必要があります。

 速やかに専門医への受診を進めるべき症例としては
1. 重度の馬尾症状が明らかな患者
会陰部灼熱感、歩行・立位に伴う尿(便)漏れ感、持続性勃起など。
2. 非可逆性とされる足底を主とする安静時しびれが出現あるいは存在した場合
3. 高度および進行性の筋力低下を認める場合
筋力低下の判断は、片脚規律および数回の膝屈伸が可能かどうか、かかと歩きが可能かどうか、つま先立ちおよび歩行が可能か否かで概ね判断できるとされています。

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馬尾型の鍼治療の考え方

 一般的には、馬尾性間欠跛行(ばびせいかんけつはこう)は保存療法が無効であるといわれています。難治である上、治療部位的にも技術的にも難しい疾患です。
馬尾型の鍼灸治療の考え方としては、本症の本体は神経組織の虚血や鬱血などの循環障害であると考えられていますが、神経根型と馬尾型の合併した混合型などでは神経根型が関与する痛みには効果があるため、鍼灸治療も保存療法として試みる価値はあると思われます。

 まず背臥位にてトーマステストを行い、股関節屈曲拘縮・股関節外転角度を確認し、腰椎の前弯増強や股関節の屈曲拘縮の改善を目的としたアプローチを行います。
背臥位にて膝窩に枕やタオルを入れ、膝関節軽度屈曲位に保ち、触診にて腸骨筋・大腰筋・長内転筋の硬結部に当たる鼠径部周辺のツボの衝門・箕門などに寸6 2番鍼にて約3cm刺入して15~20分留置鍼します。
しかし、初診の患者や女性の患者に対しては、いきなり行うことは控えます。そして神経根型と同様に、多裂筋や椎間関節刺鍼、下肢後側の刺鍼も行います。
治療頻度は週1回で10回、約3ヶ月ほど行います。

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間欠性跛行を呈する疾患

 間欠性跛行は、神経性の 腰部脊柱管狭窄症 と血管性の閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう)だけではなく多々考えられ、また両者の合併という可能性もあります。間欠性跛行のうち2割は閉塞性動脈硬化症の可能性があります。
立位で下肢症状が出現したり増悪したりすれば、前屈で症状の変化を尋ねます。改善すれば腰部脊柱管狭窄症であり、悪化すれば 腰椎椎間板ヘルニア であると推論できます。上記リンクは、いずれも別ページで開きます。

 立位付加試験で症状が出現せずしびれや冷感の症状があれば、閉塞性動脈硬化症を考慮してABI測定が推奨されています。
ヘビースモーカーは、閉塞性動脈硬化症のリスクになります。また動脈硬化のリスクとなる基礎疾患、たとえば糖尿病・高血圧・脂質異常症などの有無は重要です。
足の血管の動脈硬化である末梢動脈疾患は、歩行困難だけでなく脳卒中や心臓病にもつながるので注意が必要です。

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閉塞性動脈硬化症

 閉塞性動脈硬化症(ASO)の重傷度判定にはフォンティーヌ分類が用いられ
1度 : 無症状・冷感・しびれ
2度 : 間欠性跛行
3度 : 安静時痛
4度 : 潰瘍・壊死
で、3度から急速に悪くなるので、3度まで進ませないようにするのが治療の目標です。
そのためにも、間欠性跛行の患者から脊柱管狭窄症と閉塞性動脈硬化症を鑑別しなければなりません。

 間欠性跛行では冷えの所見が多々ありますが、冷えの改善に鍼灸が有効であると考 えられます。
一般の鍼灸院では、フォンティーヌ分類2度までが治療対象ですが、基礎疾患を合併している場合リスクもあるので、医療機関での診療が優先されます。
ASOは、下肢の問題だけでなく全身的な動脈硬化症の1部分症状ですので、患者には循環器内科を受診することと、間欠性跛行(歩行などで下肢に負荷をかけると、次第に下肢の疼痛・しびれ・冷えを感じ、一時休息することにより症状が軽減し、再び運動が可能となること)の症状を必ず申告するように伝える必要があります。
鍼治療は、末梢循環改善および間欠跛行時の疼痛緩和を目的に行います。下腿筋がしめつけられるように痛み、腓腹筋に疼痛がある(最も多い)場合には、合陽・承筋などのツボを選穴します。

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見のがしてはいけない閉塞性動脈硬化症

 医療機関での診療が優先され、なおかつ長文で内容をしぼり込むため、省略しました。パソコンなど大きな画面でご覧の方は 「見のがしてはいけない閉塞性動脈硬化症」の詳細 をクリックすると表示されます。

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