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 通年性アレルギー性鼻炎

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 通年性アレルギー性鼻炎


はじめに

 アレルギー性鼻炎の病態は、アトピー性皮膚炎や気管支ぜんそくとともにI型アレルギーの代表疾患で、鼻閉や鼻汁により頭痛や頭重患の合併・集中力の低下・嗅覚の低下などから日常生活における影響も見逃すことはできません。
アレルギー性鼻炎は、季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)と通年性アレルギー性鼻炎(ハウスダストやダニなど)があります。

 特に典型的な症状としては、発作性再発性のくしゃみ・水性鼻汁・鼻閉に加え目の症状が多くあり、目の痒み・異物感・流涙が多く認められます。
また非典型的であれば、鼻閉と鼻汁はあるがくしゃみは認められないといった場合は、血管運動性鼻炎の可能性があります。この鼻炎はアレルゲンが認められず、自律神経異常による粘膜の過敏性が考えられます。
通年性の鼻アレルギーの患者に鍼を行うと鼻症状が軽減しますが、IGE抗体などは変化しません。いろいろな刺激に対する過敏性が抑制されて症状が起こりにくくなるのではと思われます。

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鼻汁

 一般的に鼻汁の正常を大きく分けると、水性(漿液性)・粘性・膿性・血清に分類することができます。
水性はさらさらした透明の液で、アレルギー性鼻炎の典型的性状ですが、急性鼻炎・副鼻腔炎の初期にも見られます。
粘性はネバネバし少し黄色を呈していますが、これは鼻炎の慢性化や副鼻腔炎に見られます。また膿性の性状は粘性と同じですが、悪臭を伴います。この場合は、副鼻腔炎が考えられます。

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鍼治療総論

 どこのツボが効くかより鍼の響きというのがすごく重要で、その症状がある所にうまく響くような鍼の刺し方を考えないとやはり効果は出ません。刺激に対する感受性には個人差が大きく、ゆっくり捻鍼していると、じわじわと効いている感じがします。
うつ伏せになると鼻水が猛烈に出るのを逆に利用して、うつ伏せで最初に全部出します。それから仰向けにして下記のツボに留置鍼すると、15分ぐらいすると鼻が通ってきます。それを逆にやると、鼻がつまってしまいます。

 鼻水の特効穴として、上星(じょうせい;前頭部正中線上、前髪際を入ること1寸。)と印堂(いんどう;眉間中央陥凹部、特に眉と眉の下で鼻先までのエリア内。)を対比してみると、印堂は鼻水が透明でさらさらと流れ出るような場合に抜群の効果を現しますが、鼻水がやや粘って黄色みがかり鼻をかむとどっと出るような場合には、上星が有効に思います。
しかし方法としては、鼻に向けて斜刺し必ず響かせるように刺鍼しないと効果は出ません。印堂に限っては出血しやすいので、抜鍼後に人差し指で圧迫しておきます。

 鼻周囲の経穴(つぼ)への刺鍼は、患者自身が鍼を受けなれていないと恐怖感もあり、痛みを発することも少なくありません。そこで、響きに対しても苦痛でないことを確認しながら行います。
同時に必ず、近位穴や遠位穴を使用することにより、治療後の上せ感や違和感が残っていないことを確認して治療を終えるように心がけます。

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鍼治療の詳細

 鼻づまりが初期症状なら、上星・印堂・迎香(げいこう;鼻孔の外方5分、解剖学的には副鼻腔のあたり)や手先の合谷(ごうこく)が非常に効果があります。上星など前頭部正中線上のツボや迎香は、鼻汁にも鼻閉にも効きます。
一方、鼻水がどんどん出るような一般的な鼻炎には、迎香と膝の下の足三里(あしさんり)の組み合わせが非常に効果的です。鼻汁が水溶性であれば、お灸の方が効きます。

 迎香と合谷は、特に蓄膿の激しい人の黄色い糜汁が出るような症状を取り除きます。さらに、上天柱・風池・完骨などの後頭部から側頸部の反応点への雀啄術(鍼の上下動)で鼻閉がすうっと通ったりします。
粘膿性で熱が絡んでいる場合は、手三里・豊隆・内庭など炎症を抑えるとされている経穴(ツボ)を使います。その時期に応じて経穴と鍼灸のやり方を変えて行きます。
くしゃみと鼻水、いわゆる過敏状態の治療と鼻閉の場合も、少し治療法を変えます。

 花粉症は非常にやっかいで、うかつに鼻の周りを触ると余計に刺激をしてよくないことがあります。花粉症の人は皆、背部の膈兪(かくゆ;第7~第8胸椎棘突起間の外方2横指)の所が張っています。左右差があるので、これを調整してそこがそろえば、楽になります。
体質改善のプログラムは、通年性で週1回を基本にします。花粉時期前の治療をできるだけ長い期間してもらうのが理想です。

 通年性アレルギー性鼻炎の治療の一例として、鼻の近位穴である上星・風致・迎香や、末梢のツボでありながら東洋医学的には治療穴として広く用いられる足三里・合谷は元より、自律神経を調整する目的で末梢のツボを使います。四肢末端に近いツボである孔最・三陰交に加え、全身調整としての背部兪穴や腹部の中カンなどに15分間置鍼します。

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考察

 発生機序と症状との関係には、副鼻腔の即時型反応(アレルゲンが体内に入った直後から数時間以内で症状が出るアレルギー反応)と自律神経とが大きく作用しています。
鼻づまりと鼻汁は、副交感神経優位(交感神経と副交感神経のバランスの崩れ)で出現することが考えられます。また、起立時から背臥位に姿勢を変化させたときの鼻づまりも副交感神経が関わっています。

 アレルギー性鼻炎に対する鍼治療の効果について症状が軽減する症例が認められることから、頭部・顔面部の神経支配領域(三叉神経・顔面神経)の鍼治療が鼻腔内の自律神経系を調節すると考えられます。よって鍼治療では、交感神経と副交感神経のバランスを取ることによって症状の改善が期待できます。
治療穴としては、顔面部や頭部の経穴(つぼ)を用いることがポイントとなり、その意味でも上星・印堂・迎香は重要です。

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