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 坐骨神経痛の原因・症状・鍼灸治療

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 坐骨神経痛の原因・症状・鍼灸治療


はじめに

 坐骨神経痛とは、腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症・変形性脊椎症・すべり症・梨状筋症候群・仙腸関節障害等を原因とする集合的な症候名です。
坐骨神経痛を来す疾患の範囲が広いため 腰椎椎間板ヘルニア 腰部脊柱管狭窄症 梨状筋症候群 を別ページに分割しました。
神経には感覚神経と運動神経がありますが、圧迫などの障害がある場合に先に影響が出るのは感覚神経で、強く傷害されると初めて運動神経の症状が出てきます。

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原因疾患

 臨床において重要なことは、これら坐骨神経痛の原因疾患により予後も異なり、鍼灸も含めた保存療法の治療効果も異なることです。したがって原因疾患の鑑別は重要です。
臀部から大腿後外面・下腿の外側を通るl5神経根ト、大腿下腿後面・アキレス腱を通るs1神経根由来の痛みを主としたいわゆる腰仙骨神経叢由来の症状を示します。
坐骨神経痛の原因でもっとも頻度が高いのは、l4~l5レベル(l5神経根障害)での椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症の神経根型が多いといわれます。

 坐骨神経痛を起こす原因疾患には20~40歳代での坐骨神経痛は椎間板ヘルニアに起因することが多く、その場合は男性に多くみられ発生行為はl4~l5  l5~s1で全体の90%以上を占めます。
高齢者では脊柱管狭窄症、とくにl4~l5における片側l5神経根由来のものが多いといわれます。50歳以上で歩行により殿部・下肢痛やしびれが出現し、それが休息により改善(間欠跛行)する坐骨神経痛で slrテストが陰性の場合は、脊柱管狭窄症の神経根型を疑います。
しかし、急性の坐骨神経痛(神経ね性疼痛)は50%が6週以内に急性発作から回復するとされています。
重篤な病変・血管病変・股関節疾患なども否定的で股関節の内線により症状が誘発される場合は、梨状筋症候群の可能性があります。

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腰部変性疾患

 下記二つの疾患もヘルニアや狭窄症同様、椎間板の退行変性を基盤に発症します。
変形性腰椎症においては無症状の時もありますが、椎間板や椎間関節由来の腰殿部痛が主となり、後屈制限などを呈することが多いとされます。
腰部変性すべり症とは、腰椎関節突起部の分離がなく、腰椎の椎骨が直下の椎骨に対してすべりを招じる結果、腰痛や下肢神経症状などが出現した状態をいいます。高齢の女性に多く観られます。
変形性腰椎症と同様に、椎間板や椎間関節由来の腰殿部痛が主となり、疼痛による後屈制限などを呈することが多いとされます。

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坐骨神経痛の鍼灸治療

 鍼灸臨床において必要なことは、鍼灸治療の適応を決めることです。
鍼灸治療は、原因部位としての異常脊椎への治療、症状部位としての臀部や下肢への治療、全身調整の治療の三つに分けて鎮痛・筋緊張や血液循環の改善を目的に行います。

1. 原因部位への治療
 痛みや痺れの局所に対しては、問診と理学的検査で測定したヘルニア行為の兪穴付近に深刺します。
腰部神経根症の症例では、大腸兪付近・とくにやや外方に存在する圧痛点が著明な場合や、圧迫すると下肢に放散する場合にこの点に刺鍼すると直後の鎮痛効果が得られやすいようです。なお直後鎮痛効果が得られにくい症例は、年齢が高く・罹病期間が長く・さまざまな保存療法・とくに神経ブロックによっても改善がみられていないという傾向があります。

 また、側臥位で脊柱を少し丸めることで、脊柱の棘突起や椎間関節などを触診しやすい状態にして責任行為とされる夾脊穴部(棘突起の外方0.5~1cm)、椎間関節部(椎骨棘突起後縁部より外方2cm)、腰部脊柱管狭窄症では椎間孔に近い部位(椎骨棘突起部より外方3cm)を刺入点とします。
 ヘルニアの場合、脱出した髄核が神経根に当たらないように無意識に(反射的に)筋肉が緊張して防いでいるところに筋緊張改善を目的とした鍼治療を行い、緊張が解れてむしろ神経根症状が悪化することもあり得るので、新先例で患側の筋緊張が非常に強い場合にはその部位への刺鍼はやめておいた方が無難な場合もあります。

2. 症状部位への治療
 下肢は自覚症状のある部位の神経支配領域の圧痛や緊張が強い部位を触診で探して刺鍼します。具体的なツボとしては
l5の神経支配領域に痛みがある場合は、下腿前面の足三里や上巨虚から深腓骨神経を、下腿外側の陽陵泉や崑崙から浅腓骨神経を
s1の神経支配領域に痛みがある場合は、下腿後面や足底部の痛みや痺れに委中や承山より脛骨神経等その神経支配領域の下肢を刺激して、症状のある部位の末梢神経に刺激を与えて閾値の上昇を狙った治療をします。

3. 全身調整
 体質的な背景を整えることで、経過によい影響を与えることが可能です。背部兪穴を中心に触診で反応(とくに虚している)のある部位に留置鍼しています。兪穴は比較的深く渋るまで刺入します。

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