岡山県倉敷市の鍼灸院「美和はりクリニカ」のトップページ不定愁訴の鍼治療のメニューページ肩こり

主な見出しメニュー


 肩こり


肩こりの考え方

 肩こりの中でもっとも目立つのが僧帽筋のしこりです。ストレスや筋肉の使いすぎによる肩こりは、通常僧帽筋に現れます。
僧帽筋は、下部線維・中部線維・上部線維の3部に分けられます。下部線維と中部線維のトリガーポイントを圧迫すると、背部・肩に関連痛が現れます。上部線維のトリガーポイントを圧迫すると、頭・頚にかけて関連痛が現れます。
また、精神的な緊張が高まったときに肩に力が入ると、これらの筋が持続的に収縮します。その結果、血流障害を伴う筋収縮による発痛物質の蓄積が起こって筋肉痛となります。一般的には、僧帽筋の筋力が弱い女性の方が肩こりになりやすいといわれます。

 肩こりを感じる直接因子は筋肉内での老廃物蓄積と推測されており、化学的変化によっておきています。筋肉内外の血流は、筋肉の収縮伸展により促進されます。これを筋肉ポンプと言います。
しかし、持続的な姿勢維持においては筋肉の等張性収縮(収縮・弛緩を繰り返し関節運動を起こす収縮)に匹敵するほどのエネルギーを消費していますがこの場合は等張性収縮と違って筋肉ポンプが有効に作用しません。
人間の場合は、労働やしきたり等の社会生活で不自然で持続的な姿勢維持のための等尺性収縮(関節の運動を起こさない筋収縮)を行わざるを得なくなります。となるとエネルギーも消費し、新陳代謝としての血流が必要です。そして筋肉ポンプが働かない上に且つ筋緊張のために血管を圧迫して血行は悪くなって当然肩こりが起こります。

 筋肉疲労・血行不良の増悪因子としては
1. 前屈時の作業や習慣
2. 同一姿勢の保持・精密作業
3. 精神的ストレス
4. 華奢な体型・筋力虚弱
5. 頚椎の異常・変形
 その他の因子として
1. 寒冷
2. 自律神経失調・更年期障害
3. 貧血・低血圧
等があります。肩こりの鍼灸治療に当たっては、全身的な問題としてアプローチすることが非常に大切です。

ページ最初の見出しメニューへ


現代医学から見た肩こりについて

 肩こりは一般的ですが、発生原因は多彩です。そのため局所治療だけでなく、全身の愁訴をよく聞いた上での対処が重要となります。
肩こりによる 緊張型頭痛 の頻度は高いし、慢性的になるとさまざまな自律神経症状が出現することもままあります。その原因は多岐にわたり、またやっかいなものは心療内科的疾患の重要な症候としても表現されます。
つまり肩こりは、全身的な身体症候なのです。

 ☆肩こりの診断と分類・そのメカニズムについて
肩こりの痛みを感じる部位や圧痛点の好発部位は、各部位の筋腱接合部に一致します。また、肩こりの特徴は、この亢進した筋緊張がうまく弛緩できないところに最大の問題点があります。痛みの性質からいえば、こむら返り現象に類似していると考えられます。

1. 筋肉組織そのものの問題
 典型例として頚肩腕症候群があります。この種の肩こりは、頚肩腕の筋肉を持続的且つ同時に一連の動作を機械的に繰り返し使用するために筋疲労に至るタイプです。

2. 筋肉を支配する末梢神経の問題
 このレベルとして想定しやすいのは、神経根症で、頚・頚筋の支配神経根の腫れによる神経根刺激症状の異常筋緊張として考えられるようです。
内科疾患・耳鼻科疾患・眼科疾患・歯科疾患等に関わる肩こりもこのレベルに含まれます。

3. その上位の中枢(脊髄・脳)の問題
 このレベルがもっともやっかいなタイプです。この典型的なものに心身医学的なものがあります。
脳がある種の持続的異常放電状態(たとえばストレスなど)にある神経症患者を含む精神医学的疾患の患者は、全身の筋緊張を伴うことがいわれています。このタイプの患者の愁訴としてかなり頑固な肩こりが存在する事実があります。

ページ最初の見出しメニューへ


深層筋(インナーマッスル)に対する治療

 アウターマッスルとは、身体動作の際に働く表層の筋肉であるのに対して、インナーマッスルとは、動作や作業をする際に安定した姿勢を保持し、バランスを保つ役割を担う身体深層部の筋肉(姿勢保持筋)のことです。
アウターマッスルの特徴は、筋肉が比較的大きく、身体全体や関節を動かす際の動的動作で働きます。
インナーマッスルの特徴は、アウターマッスルに包まれるような状態で骨に近い部分に存在し、筋肉が比較的小さく、動的動作時(身体動作)の姿勢制御に加え、静的動作(読書・パソコン・テレビを見る・たち仕事など)の際の姿勢維持の役割も担っています。

 インナーマッスルは、慢性的な肩こり・腰痛の直接・間接的な原因のみならず、猫背などの姿勢不良や 眼精疲労 不眠症 頭痛・集中力低下などのさまざまな不定愁訴の原因としても注目されています。
上記のリンクは、いずれも別ページとして開きます。

 また、インナーマッスルは構造上および機能上からも元々血液の循環が悪くなりやすく、疲労が蓄積されて筋緊張の続いた状態になると血液の循環は非常に悪くなり、疲労が回復されにくく筋肉の緊張・疲労が恒常的に持続する悪循環に陥ることが多くなります。
その結果、本来動作筋として働くアウターマッスルが姿勢保持的に働く結果となり、頚→肩→背中→腰などにおよぶ全体的な筋肉の緊張・こりに繋がります。
また、さまざまな状況で常にバランスの偏った姿勢を続けていると、集中して負担のかかる筋肉が偏り、その筋の筋肉疲労から身体全体のバランスを偏らせてさまざまな障害・症状を引き起こします。

 このインナーマッスルは、比較的深い位置にあるため、一般的なマッサージや浅い鍼を方法論とする治療など体表からの刺激では効果は十分ではありません。鍼治療の特徴は、組織を選択して刺激できるところにあります。しかし、深い鍼は気胸のリスクもあるため、施術者としてはジレンマがあります。安全な治療は、何にも増して重要だと思います。

ページ最初の見出しメニューへ