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 肩こりの鍼治療


肩こり治療の基礎

1. 鍼治療の目的
 肩こりの病態の特徴は、こり感に一致した局所的な筋緊張を伴っていることです。筋緊張があれば当然緊張した筋肉組織の中を通る血管および神経は圧迫されることになり、筋緊張が鍼で緩和できれば圧迫されている血管や神経も正常状態に戻ります。
そのためには、筋緊張部を正確に触診で把握し、鍼で筋緊張を緩和する技術が必要となります。
痛みに過敏な部位は皮膚表面、内部では外筋周膜(筋膜)です。いかにこの部位で鍼を通過させるかで筋肉の緊張が変化します。
 鍼による過剰刺激を防止するには、鍼治療により筋緊張が変化したことを施術者が的確に1本の鍼を介して感覚できなければなりません。無理に鍼を進めるのではなく、表面から徐々に筋の緊張を取り除くという心構えで鍼を行います。

2. 肩こりの治療法
A. 頚部のこり
 頚部のこりが出現しやすい部位は、ツボでいう天柱・風池・完骨を結んだ横のラインと、第2頚椎の高さで頭板状筋部と第6頚椎の高さで頚板状筋部を結んだ縦のラインです。
以上縦横2ラインでの頚部の筋緊張を緩和する方法は、切皮後 5~7mm の部分(皮膚と外筋周膜の間)で小さな鍼の上下動(雀啄術 振幅 1~2mm で1秒間に 1,2回)を行うと、深部の筋緊張がとれ安くなります。
また、置鍼時にこっている筋内まで鍼を刺入せずに外筋周膜で鍼先を止め置鍼する事により、筋緊張の緩和を 10~15分後に獲ることができます。
頚部での鍼治療は、刺激が過剰にならないようとくに注意します。こりが取れないから過剰刺激を行うと、頚部では治療後おもだるさあるいはこり感が酷くなる場合が多くあります。しかし、刺激に対する感受性は個人差が大きく、初診には難しさを感じます。

B. 肩胛骨上部のこり
 肩胛骨上部のこりは、ツボでいう肩井・肩中兪・肩外兪・曲垣などに出現しやすいとされています。肩中兪は僧帽筋の下部に肩甲挙筋が走行しているので、肩甲挙筋の緊張に伴いこりが出現しやすいといわれます。
肩甲挙筋・頚板状筋・斜角筋などの筋緊張を緩和する方法として、第6頚椎(c6)の高さで頚板状筋部と肩外兪を結んだ低周波鍼通電を行う治療者もおられます。

C. 肩甲間部のこり
 とくに膏肓穴付近にこりが出現しやすいとされています。
天宗も肩こりで圧痛が出現しやすいツボです。肩胛骨背面に位置するため、気胸のおそれはありません。

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もみ過ぎの肩こり

 大椎(だいつい;第7頚椎棘突起と第1胸椎棘突起間、頭を前屈すると一番高く突出する棘突起が第7頚椎棘突起に当たる場合が多い。)を中心として筋肉が盛り上がっている人がいます。これを、もみだこと言います。
長年にわたり、肩がこるのでもんでもらう。もんでいるうちに、筋肉が固まってくる。だから、余計に強くもむ。強くもめばもむほど、さらに堅くなる。この悪循環になります。
このような人の肩こりは、浅い刺鍼では直りません。そこで、材質の軟らかい太い鍼で5mm以上刺鍼します。これを続けていると、堅いもみだこも軟化してきます。

1. 肩中兪と大杼
 用いる経穴(ツボ)は、第7頚椎棘突起の下外方や第1胸椎棘突起の下外方に在るツボで、脊椎に向かって紐状の硬結ができています。これが、こりの原因になっています。
寝ちがいやむち打ち症・パソコンを使いすぎる人に現れていることが多いです。これに対しては、硬結の中を刺し通すつもりで脊椎に向けて斜刺または横刺します。
このすじ状の硬結が脊椎の外方3寸、肩甲骨内上角の骨際まで連なっていることもあります。

2. 肩井と天リョウ
 肩井(けんせい;大椎と肩峰端の前の凹みを結ぶ線のほぼ中間で、乳頭線上)は、紐状の張りの中に硬結があるので、これを取穴します。その1寸後ろに天リョウ(てんりょう)があり、これも硬結があります。
鍼を刺す場合は、肩井は背に向けて、天リョウは前に向けて刺します。気胸を避けるために、決して直刺はしません。
肩井や天リョウに深く刺すと、脳貧血を起こすことがあります。また、血圧が高い人には灸は要注意です。

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肩こり治療のポイント

 肩こり治療には上記の経穴(ツボ)も重要ですが、一般的な肩こりは肩胛骨内縁の硬結に治療するとよい結果が得られます。
実際には経穴にこだわらず、肩胛骨内縁に沿ってできている紐状の硬結を狙って刺鍼します。私は、気胸のリスクのある部位なので横刺で患者の体格も考慮しながら3~10mm刺鍼します。
肩胛骨内縁のこりを取ると、肩上部は勿論のこと、首のこりも楽になります。

   <肩こりと腹部の硬結>
 肩こりの原因は手の使いすぎもありますが、実は腹部に問題があることも多いです。
一つは、不容(ふよう;第8肋軟骨付着部の下際)周辺にできている硬結が原因で、押すと堅く圧痛があります。
これが在ると胸が痛くなったり、呼吸が苦しくなったりすることがあります。そうして、肩がこりやすくなります。

 次に腹部胃経、つまり腹直筋のひきつりです。これは
天枢(てんすう;臍(へそ)の外方2寸)に刺してゆるめますが、これと同時に腹部胆経のひきつりがある人は、体質的に肩こりが激しい傾向にあります。
あえてツボで言えば、帯脈(たいみゃく;第11肋骨前端下際からの垂直線と、臍と同じ高さ(左右の腸骨稜の最上点を結んだ第4腰椎あたり)の水平線との交点)となります。

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