岡山県倉敷市の鍼灸院「美和はりクリニカ」のトップページ痛みの鍼治療のメニューページ手首の母指側が痛いドケルバン病

 ドケルバン病は手首の母指側が痛み・腫れ、限局した圧痛が特徴的です

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 ドケルバン病は手首の母指側が痛み・腫れ、限局した圧痛が特徴的です


ドケルバン病の病態

 伸筋腱でも浮き上がりを防止するためにばね指と同様の腱膜構造が手関節背側に存在し、伸筋支帯と呼ばれます。
その最も橈側に位置する第1区画も強固なトンネル構造で、長母指外転筋腱(ちょうぼしがいてんきんけん)と短母指伸筋県(たんぼししんきんけん)が通ります。
母指(親指)を広げると手首(手関節)背側の母指側の部分に腱が張って皮下に2本の線が浮かび上がります。ドケルバン病はその母指側の線である短母指伸筋腱と長母指外転筋が手首の背側にある手背第1区画を通るところに生じる腱鞘炎です。
短母指伸筋腱は、主に母指を伸ばす働きをする腱の一本です。
長母指外転筋腱は、主に母指を広げる働きをする腱の一本です。

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ドケルバン病

 ばね指と同様に、妊娠出産期の女性や中年以降の女性に多く生じます。手の使いすぎやスポーツや指を良く使う仕事の人にも多いのが特徴です。
橈骨茎状突起部の第1区画に限局した圧痛が特徴的であり、母指MP関節(指の付け根の関節)とIP関節(指節間関節;ゆびのふし)を屈曲させ、手関節を小指側に牽引させるいわゆるフィンケルシュタインテストで、橈骨茎状突起部から母指への疼痛が誘発されます。

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狭窄性腱鞘炎

 腱の周りには滑膜性腱鞘(かつまくせいけんしょう)という軟らかい鞘(さや)があります。
さらにその滑膜性腱鞘の周りにあるのが硬い組織の靱帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)です。
腱周囲の一部は靱帯性腱鞘となってトンネルを形成しており、この内部構造のため指や手首を動かした時に腱は浮き上がることなくトンネル内を滑走します。

 腱鞘炎とは、腱と腱鞘がこすれて炎症が起こる病気です。腱と靱帯性の腱鞘は硬い組織ですが、その間にある滑膜性の腱鞘は軟らかい組織です。
そのため、腱と靱帯性腱鞘がこすれると、その刺激をもろに受けてしまい、滑膜性の腱鞘に炎症が起こります。硬い組織に挟まれている軟らかい滑膜性の腱鞘は炎症を起こし易いです。

 狭い靱帯性腱鞘により腱鞘炎が招じ、炎症によりさらにトンネルが狭くなるという悪循環になりやすいので、この病態にあるものを狭窄性腱鞘炎と言います。
これには、MP関節(指の付け根の関節)のA1滑車と呼ばれる部のトンネルで起こるばね指と、手関節橈側の第1区画と呼ばれるトンネルで起こるドケルバン病の二つがあります。

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鍼治療法

 鍼治療の効果発現の機序としては、痛みの抑制機構に働きかける、滑膜性腱鞘の循環改善、過緊張した筋腱の緊張緩和などが考えられます。
鍼治療の適応予測を行う上で、罹病期間が短く靱帯性腱鞘にまで変性が及んでおらず、滑膜性腱鞘の炎症や浮腫のみに起因する症例であれば予後は比較的よいですが、病歴が長いと難治であり、罹病期間が一つの指標になりうる可能性が高いと思われます。

 ドケルバン病の鍼治療のポイントは、橈骨茎状突起橈側から腱の走行部や母指球(手の親指の付け根のふくらみ)の圧痛部に細い鍼で10分程度5mmぐらいの浅刺・留置鍼を行います。
また、橈骨茎状突起に付着する腕橈骨筋も、過緊張緩和を目的に刺鍼します。
さらには支配神経である橈骨神経の深枝走行部(ツボでいう手三里)や回外筋貫通部、あるいは痛み部位の皮膚を支配する橈骨神経の浅枝走行部(ツボでいう合谷)なども必要に応じて取捨選択して刺鍼します。
また、橈骨茎状突起周辺の圧痛部にローラー鍼や円皮鍼を行います。痛みに敏感な患者さんにも有効です。

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