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 耳鳴患者のうち 10% 前後に、難聴を伴わない無難聴性耳鳴が存在します

はじめに

鍼が効く仮説

必ず病院の受診

問診

鍼治療

補足

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 耳鳴患者のうち 10% 前後に、難聴を伴わない無難聴性耳鳴が存在します


はじめに

 耳鳴り(みみなり)を訴える患者の90%が何らかの難聴を有すると言われています。しかし、耳鳴り患者のうち10%前後に難聴を伴わない(純音聴力検査で異常のない)無難聴性耳鳴と定義される耳鳴りが存在します。
現状では耳鳴りの他覚的検査法はないので、無難聴性耳鳴の発症メカニズムは明確ではなく、有効な治療法も確立されていません。
無難聴性で、触診により首肩の筋肉の緊張があると判断されると、その背景として聴神経と三叉神経が交差して連動しているため、鍼で三叉神経に関わる筋肉の緊張をゆるめることができれば、症状が改善する可能性があります。

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鍼が効く仮説

 聴神経は、蝸牛神経核を中継して両側の延髄の上オリーブ核へ投射されます。
三叉神経節(さんさしんけいせつ)と上オリーブ核を接続する神経線維の存在が報告されており、さらに顎関節症に伴う一側性の無難聴性耳鳴の場合は、顎関節包の侵害刺激(しんがいしげき;痛みをもたらし、組織の損傷を引き起こすような刺激)が三叉神経節から上オリーブ核へ投射することによると報告されています。
以上により一側性の無難聴性では、患側下顎から頸部に存在する慢性的筋緊張に着目して、筋緊張による慢性的な侵害刺激が耳鳴り発症と関連していると考え、鍼治療の適応とすると著者は述べられています。

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必ず病院の受診

 鍼灸院へ患者が来院されたら病院を受診したか必ず確認し、もし未受診なら鍼灸が不適応な疾患が隠れていることもあるので、先に耳鼻科への受診を薦めます。
危険な徴候の例として、拍動性の耳鳴りは危険です。そのどくどくが脈と合っているかがポイントです。脈音と連動していた場合は、かなりの確率で動脈瘤です。
また突発性難聴の中には、聴神経腫瘍が原因となっているケースもあります。

 しかし、本当は病気を起こさないことがベストで、首の筋肉の異常で起きる様々な疾患、たとえば 緊張型頭痛 頸性めまい などは、筋肉の緊張を弛める鍼治療で予防ができます。上記は、いずれも別ページで開きます。

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問診

 まず病因で一般的な耳鼻科診療を受けた後、問診を行います。
1. 原因疾患や既往歴
2. 現病歴
現在までの経過
3. 症状の頻度・左右差を聴取します。
耳鳴りが片側だけと申告した患者も両側でないか確認します。症状が強いのが片側ということもありえます。

4. 耳鳴りについて
難聴の有無、音の種類(きーんという高い音かゴーという低い音か)、日内変動、緩解因子/増悪因子
5. 頭痛・首肩こり・顎関節症や開口障害の有無・ 不眠症 ・手足の冷えなども尋ねます。

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鍼治療

 まず座位で触診します。咀嚼筋・僧帽筋・胸鎖乳突筋の緊張・圧痛を探します。
無難聴性耳鳴の場合は、きーんという高音の耳鳴りを訴える傾向が多く、この無難聴性耳鳴は、首や肩の緊張に原因があることが多く、鍼の適応になる可能性があります。

 頚部では、ツボでいう天柱・風池・完骨を結んだ横のラインと、胸鎖乳突筋の硬結に横刺します。肩胛骨上部の肩井・肩中兪・肩外兪および傍脊柱筋の硬結に刺鍼します。
耳珠の直前には上から耳門・聴宮・聴会と並び耳前3穴と称しいずれかのツボを反応により使い分けますが、聴宮が使用頻度が高いです。
咀嚼筋では内側翼突筋(翳風)も反応が出やすいです。

 耳や顎周囲のツボへの刺鍼は、患者自身が鍼を受け慣れていないと恐怖感もあり痛みを感じやすいこともあるので、響きに対しても苦痛でないことを確認しながら行います。特に咀嚼筋や耳介周囲は、ごく細い鍼で浅く刺鍼します。
同時に必ず手足の遠位厥を使用することにより、治療後ののぼせ感や違和感が残っていないことを確認して治療を終えます。

 咀嚼筋障害を主徴候とする i型の顎関節症については 筋性の顎関節症 に、また一般向きではありませんが、顎関節の局所穴については 「局所治療の常用穴」の詳細 に記しました。別ページで開きます。

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