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 筋性顎関節症

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 筋性顎関節症


顎関節症とは

 顎関節症は、顎関節部や咀嚼筋の疼痛・関節雑音・開口障害・顎運動の異常を主要徴候とする慢性疾患の総称です。
その病態は、咀嚼筋障害・関節包や靱帯障害・関節円板障害・変形性の関節症などが含まれます。臨床症状としては、運動痛が主で自発痛があまりないのが特徴です。

1. 病因
 以前は咬合(上下の歯のかみあわせ)の異常が顎関節症の主原因であるとされていた時期がありましたが現在は多因説が有力であり、かみあわせの異常もその一つと考えられています。
特に、日中の上下歯列の接触癖(TCH)、睡眠時の歯ぎしりやくいしばりが発症に強く関与していると考えられています。
日中・睡眠中のくいしばりが筋痛に大きく影響しています。次に多い原因は睡眠中の歯ぎしりで、これは関節痛に影響します。

2. 関連因子
 関連因子には、心理社会的因子、頭部の不良姿勢、頸部障害等々があげられています。
咀嚼筋の緊張を誘発してこの悪循環を助長するのが、心理社会的因子によって招じる精神的ストレス・頸部障害による疼痛・不良姿勢などの関連因子です。
不良姿勢、たとえばパソコンを使用中に頭部を前方に突出させた状態を長時間続けると、頭部を支える頸肩部の筋群の緊張が高まるために頸部障害による痛みが増大します。
また頭部前方位では、舌骨下筋群が舌骨を、舌骨上筋群が下顎をそれぞれ後下方に引き下げます。すると、この力に対して反射的に咬筋や内側翼突筋の活動が高まり、歯のかみしめを引き起こします。
以上のように、咀嚼筋や頸肩部の筋肉群が過度に緊張することによって顎関節に過剰な付加がかかり続けると、顎関節痛障害や関節円板障害が発生し、最終的に変形性顎関節症という器質的破壊に至ると考えられると著者は述べられています。

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開口量の測定

 自力での最大開口量を測定します。通常病気がなければ、自分の指(人差し指・中指・薬指)まで3本を縦にして口に入ります。その時の開口量が約40mmです。最大開口量が40mm以下の場合には、顎関節・咀嚼筋に何らかの異常があると考えるべきです
次に、術者が強制的に開口させて開口量(強制最大開口量)を測定します。
自力開口量と強制的開口量の差が5mm以上であれば筋性の障害を、差がない場合は関節円板性の障害を疑います。
突然に開かなくなったときには関節円板の転位によるものです。また、知らないうちに徐々にに開かなくなっているのは、筋性です。

 顎関節症の病態は大別すれば、咀嚼筋に問題がある筋性の顎関節症と、顎関節部に問題がある関節性の顎関節症のタイプの二つに分かれます。
しかし、上記の開口障害の原因を鑑別することは簡単ではなく、関節円板障害や変形性顎関節症では画像診断が必要になることがあるため、口腔外科への受診が必要です。
鍼には適応と限界があり、関節性の顎関節症は、専門医である歯科医院や口腔外科を受診してください。

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鍼でアプローチできる顎関節症は I型

   <顎関節症の分類>
I型 : 咀嚼筋障害を主徴候とする顎関節症で、顎関節に形態学的な異常はなく、主症状は筋痛である。
II型 : 関節包・靭帯の障害を主徴候とする顎関節症で、顎関節部の運動痛、圧痛が主症状。
III型 : 関節円板の障害を主徴候とする顎関節症で、筋痛はなく、顎関節部の疼痛は弱い。関節雑音が特徴的である。
IV型 : 退行性病変を主徴候とする変形性関節症。臨床所見では、クレピタス(関節がこすれるような軋轢音)が特徴的。
V型 : 上記の四つの類型のいずれにも分類されない顎関節症で、心身医学的要因などによって顎関節部に異常をきたしたものも含む。

 I型のようなケースでは、主に咀嚼筋の圧痛あるいは 緊張型頭痛肩こり などの軟部組織系の筋緊張とともに顎関節症を伴っていることもあります。
上記のリンクは、いずれも別ページで開きます。

 MPS(筋・筋膜性疼痛症候群)というのは、そういう一連の軟部組織系の筋緊張(スパズム)に伴って出てくる症状の総称です。顎関節症のI型もこのMPSの一つだと言われています。
鍼灸の適応で治癒する範囲に限れば、I型が多いです。

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