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 筋性顎関節症の鍼治療

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 筋性顎関節症の鍼治療


トリガーポイント

 痛い場所から離れている部分にTP(トリガーポイント→引き金点)が出現している可能性があるので、口腔領域周囲の筋肉だけでなく、遠隔部の筋肉にアプローチしていくことも非情に重要です。
顎関節症では、咬筋・側頭筋・外側翼突筋にTPが出現することが多く、またこれらの筋の関連痛としても僧帽筋や胸鎖乳突筋にTPが出現することが報告されています。顎二腹筋や斜角筋も重要です。
咀嚼筋群の側頭筋や咬筋に注目するとともに、僧帽筋や胸鎖乳突筋の張りも重要なポイントで、このへんの張りを取るとパッと痛みが止まる人もいます。

 TPは、索状硬結といわれる堅いものがあって、なおかつそこに存在する圧痛を押すと症状が再現するポイントを指します。
臨床上、下関穴(げかんけつ)への気持ちのよい響きが顎関節症の疼痛の軽減や開口量の拡大に作用することを経験します。同じ疼痛の除去にしても、「堅いものを噛むと痛い」というのが難しいです。

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顎関節症の鍼治療

 痛みで悩む患者の多くは、不安や精神的・身体的緊張を伴っています。痛みに敏感な顔面部への施術は患者の苦痛をさらに増大させる危険性があるため、状況に応じて不安や緊張に対する治療を優先させます。

a. 不安や緊張状態に対する治療
 上部僧帽筋への施術は、リラックス効果が高いといわれます。また不安や緊張を緩和する目的で、頭頂部の百会・四神聡や手足の指間穴(合谷・太衝)などの経穴を常用します。

b. 顎関節症に対する局所治療
 局所治療の目的は、頭顔面部の疼痛緩和と、開口障害や関節雑音の改善です。 筋性顎関節症 を治療する場合、日中の上下歯列の接触癖(TCH)・歯ぎしり・くいしばりによって筋活動が亢進した咬筋・側頭筋・外側翼突筋の緊張や硬結を刺鍼によって除去できれば、顔面部の痛みや開口障害を改善することは可能です。

 咬筋は圧痛やTPが出現しやすく、筋性の顎関節症の原因筋になりやすい筋です。咬筋の治療は顔面部を触診し、痛みを伴う硬結やTPを探して刺鍼します。物を奥歯で噛んだりしたときに、顎の外側を触れていると、膨らむのが触診できます。
抜鍼した後再度開口量を確認し、まだ開口障害や疼痛部位があれば再度刺鍼します。

c. 顎関節症に対する遠隔治療
 遠隔治療の選穴は、頭顔面部を走行するどの経絡(東洋医学で考えられている循環・反応経路のことで、気血の通り道&ツボのルート)上に疼痛部位があるかを考慮して決定します。特に合谷は強い開閉作用を持つため、開口障害の要穴とされています。

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首肩こりの影響

 歯科口腔領域の症状にほとんどの場合首肩こりを認めることが多く、この首肩こりは精神的ストレスや歯科処置による身体的ストレスによって上半身が緊張することに起因します。
特に、否歯原性歯痛(歯科医院を受診したが、歯には異常なし)と筋性の顎関節症には首肩こりの治療により改善が見られることも多くあります。
また、ストレスがかかった際にステロイドホルモンを分泌する副腎皮質の反応点である志室(第2・第3腰椎棘突起間の外方3寸)というツボの圧痛硬結の状態も見て反応があれば刺鍼します。

 筋性の顎関節症は、ツボでいう患側の肩井・肩外兪・下関(げかん)・耳門・聴宮・聴会が有効です。また、胸鎖乳突筋も噛みしめによって筋活動が亢進する筋肉であるため、治療が必要になるケースが多いです。

 余談ですが、否歯原性歯痛は患側肩部の肩井・肩外兪が有効で、そのほか後頸部と後頭部の境界線上の天柱・風池・完骨、さらに肩背部の天宗・膏肓・左右志室などに圧痛硬結があれば刺鍼します。
ただし、三叉神経痛は鍼刺激が痛みを誘発することもあるので、疼痛部には触れずに誘導目的に頸肩背部および上下肢に刺鍼します。
口腔異常感症は、顔面神経や顎関節に関係のある患側の翳風や下関などへの治療で改善する症例もありますが、効果のでない症例も多くあります。

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局所治療の常用穴

 経穴(ツボ)は東洋医学のものだと思われがちですが、目的とする筋肉や組織の指標(物事を判断したり評価したりするための目じるしとなるもの)としてツボを用いることができます。

 以下長文で一般的ではないため、省略しました。 「局所治療の常用穴」の詳細 をクリックすると表示されます。

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